2015 Fiscal Year Annual Research Report
多様な生体制御機能を担うオキシトシン受容体研究の展開と新規アゴニスト解析系の樹立
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15H02442
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
西森 克彦 東北大学, 農学研究科, 教授 (10164609)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 淳賢 東北大学, 薬学研究科, 教授 (20250219)
山末 英典 東京大学, 医学部附属病院, 准教授 (80436493)
木村 正 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (90240845)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 縫線核 / 誘発分娩 / 骨粗鬆症 / 平原ハタネズミ / オキシトシン受容体 / 創薬 / 生殖工学 / CRISPR/Cas9 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.ニューロン特異的OXTR遺伝子欠損マウス解析:縫線核5-HTニューロンに発現するOXTRの機能解析の為、「社会的報酬」行動測定装置設計と行動測定法習得を行った。解析対象マウスは交配・繁殖中である。 2.妊娠齧歯類モデルへのOXT長期投与と産子・母親への副次効果について:産仔への外来性OXT投与の副作用を明確にする為、妊娠後期に3 IU~6IU程度のOXTを母体へ継続投与、これが発生後期胎児脳へ与える影響と、生後の社会行動に与える影響解析したが、大きな影響は見いだしていない(東大、山末准教授と西森)。陣痛促進剤としてヒト妊婦へOXTを投与したケースの出生後の子供への影響について:環境省のエコチル研究結果から、母児の健康状態とOXT投与との関係に関するdataを解析した。今後解析を拡大する必要がある。(大阪大学、木村正教授) 3.抗骨粗鬆薬としてのOXT・受容体系が持つ可能性につき、OXT・OXTR 遺伝子欠損マウスモデルでの産褥期骨代謝の解析:未経産OXTR KOマウスとwtマウスにつき、交配後19.5日目の朝、出産確認後に試料調整し、大腿骨のpQCT測定による骨密度測定を行なった。wtは10-17週令, OXTR(-/-)は12-22週令を測定に用い、全骨密度と皮質骨密度はOXTR-/-<wt、海綿骨密度はOXTR-/->wtであった。 4.OXTR KO 平原ハタネズミの開発:高度社会性平原ハタネズミの過排卵処理と胚培養技術、in vitroにおける受精などの発生・生殖工学技術を樹立し論文発表した。 5. OXTRアゴニストのスクリーニング系樹立と新規OXTRアゴニスト開発:CMVプロモーター下流にヒトOXTRcDNAを挿入した発現ベクター、同改変TGFα(Ap-TGFα)発現ベクターを293細胞に感染させ、96wellsでのスクリーニング系を立ち上げた。(青木教授と西森)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
「ニューロン特異的OXTR(-/-)マウス解析」については実績概要にも触れたが、解析対象の変異体マウスの増産に予想以上に時間が掛かり、解析自体はやや遅れているが、変異マウスを対象とした行動解析は本来時間を要すものであり、着実にデータを積み上げて行きたい。 「妊娠齧歯類モデルへのOXT長期投与と産子・母親への副次効果について」は予想と異なり、妊娠後期に生理的な濃度を超えるOXTを母体へ投与する限りは、胎児脳や、産仔の生後の社会行動に大きな影響を与えない興味深い事実が明らかとなり、これについて現在論文投稿ちゅうである。27年度には行わなかった、妊娠前期でのOXT投与の胎児脳発達等に与える影響の解析も重要であり、今後この方向への実験の拡大を考慮する。「陣痛促進剤としてヒト妊婦へOXTを投与したケースの出生後の子供への影響について」はdata解析に人員が必要であるが、その確保が必ずしも達成できず、解析耐性態勢の見直しも必要である。 「抗骨粗鬆薬としてのOXT・受容体系が持つ可能性につき、OXT・OXTR 遺伝子欠損マウスモデルでの産褥期骨代謝の解析」については、検体数は必ずしも多くはないが、一定の傾向が得られ、今後試料数を拡大してデータの一層の蓄積を果たす。 「OXTR KO 平原ハタネズミの開発」については、平原ハタネズミの過排卵処理と胚培養技術の達成を基に、in vitro受精法など発生・生殖工学技樹立にもこぎつけ、当初予測よりも遙かに順調に進捗している。今後、世界初の遺伝子操作平原ハタネズミ解析なども可能となるであろう。 「OXTRアゴニストのスクリーニング系樹立と新規OXTRアゴニスト開発」についても当初予測よりも順調に進捗し幾つかのOXTRアゴニスト候補の取得まで達成している。今後スクリーニングサイズを拡大し、新規自閉症薬(合成OXTRアゴニスト)開発にこぎつけたい。
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Strategy for Future Research Activity |
ePet-Creを用いた、縫線核セロトニンニューロンで発現するオキシトシン受容体機能解析は、必要な2重、又は3重変異マウスの繁殖・準備が整い次第開始する。本実験では3重変異体マウスを用いるので実験対象マウス確保に時間が掛かる事、対象マウス取得の歩留まりが悪く、当初計画より時間が掛かる事が予想されるが、確実に実験を進めていく。また神経回路の解析は、当初、OXTR.cDNA.HA-IRES-Creマウスなどを用い、順行性ないし逆行性の蛍光色素標識した融合蛋白をAAVにより対象神経核に送り込み、部位特異的に解剖学的な解析を進めていく計画だったが2光子顕微鏡を色素標識した連続脳スライス切片に適用する新規方法(Cell Rep 10, 292, 2015)につきPenn州立大学のDr. Kimより網羅的な神経回路3次元Map作製に関する共同研究の誘いがあり、この方法の積極的な適用拡大により短期間に対照領域(縫線核)の特異的なニューロン(OXTR発現性5-HTニューロン等)を含む神経回路アトラス作製を行う方法の採用を計画しており、最終ゴールに対し先進的な方法の採用で、短期間に発展的・広範囲に目的を達成する事を目指す。 エコチルdata解析は人員的な問題などから、解析スケールの拡大には至っていないが、今後も継続的に行う予定である。 骨粗鬆症とOXT・受容体系の関連について、特に妊娠マウスでのOXT又はOXTR遺伝子欠損が骨形成へ与える影響について妊娠マウスでOXT・受容体系の欠損の影響が強く出る可能性が見られたが今後dataセットを増やしていく計画である。 平原ハタネズミの遺伝子改変については組み替え体Cas9蛋白の利用により組み替え効率が著しく向上しており、計画に加えOXTR-EGFP、LoxP型OXTR KO、V1aR KOなど本領域研究全体の推進に役立つラインの作製も考慮する。
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Research Products
(40 results)
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[Journal Article] Establishment of an immortalized cell line derived from the prairie vole via lentivirus-mediated transduction of mutant cyclin-dependent kinase 4, cyclin D, and telomerase reverse transcriptase2016
Author(s)
Katayama M, Kiyono T, Horie K, Hirayama T, Eitsuka T, Kuroda K, Donai K, Hidema S, Nishimori K and Fukuda T
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Journal Title
Exp Anim
Volume: 65
Pages: 87-96
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Nasal Oxytocin Administration Reduces Food Intake without Affecting Locomotor Activity and Glycemia with c-Fos Induction in Limited Brain Areas.2015
Author(s)
Maejima,Y., Rita,R.S., Santoso,P., Aoyama,M., Hiraoka,Y., Nishimori,K., Gantulga,D., Shimomura,K., and Yada,T.
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Journal Title
Neuroendocrinology
Volume: 101
Pages: 35-44
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Double Dissociation of the Roles of Metabotropic Glutamate Receptor 5 and Oxytocin Receptor in Discrete Social Behaviorsm2015
Author(s)
Mesic,I., Guzman,Y.F., Guedea,A.L., Jovasevic,V., Corcoran,K.A., Leaderbrand,K., Nishimori,K., Contractor,A., and Radulovic,J.
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Journal Title
Neuropsychopharmacology
Volume: 40
Pages: 2337-2346
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] The regulation of oxytocin receptor gene expression during Adipogenesis2015
Author(s)
Yi, K J, So, K H, Hata, Y, Suzuki, Y, Kato, D, Watanabe, K, Aso, H, Kasahara, Y, Nishimori, K, Chen, C, Katoh, K, Roh, S G
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Journal Title
J. Neuroendocrinol
Volume: 27
Pages: 335-342
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Journal Article] Lgr4 Controls Specialization of Female Gonads in Mice2015
Author(s)
Koizumi, M. Oyama,K, Yamakami,Y, Kida,T, Satoh,R, Kato,S, Hidema,S, Oe,T, Goto,T, Clevers,H, Nawa,A, Nishimori,K
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Journal Title
Biol Reprod
Volume: 93
Pages: 1-11
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Molecular Genetic Study for the Regulatory Mechanism of Social Behavior Regulated by GABAergic Neurons, Expressing Oxytocin Receptor2015
Author(s)
Nishimori, K, Miyazaki, S, Hiraoka, Y, Hidema, S, Radulovic, J
Organizer
11th World Congress on Neurohypophysial Hormones
Place of Presentation
Millennium Hotel, Queenstown, New Zealand
Year and Date
2015-08-30 – 2015-09-01
Int'l Joint Research / Invited
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