2017 Fiscal Year Annual Research Report
記憶想起障害モデルマウス開発による想起制御分子基盤の解明と想起障害改善への応用
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15H02488
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
喜田 聡 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (80301547)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 記憶想起 / サーカディアンリズム / 海馬 / 時計遺伝子 / 生物時計 / cAMP / BMAL1 / CREST |
Outline of Annual Research Achievements |
次世代シークエンサーを用いたdnBMAL1マウス海馬のトランスクリプトーム解析を重点的に行った。Gene Set Enrichment Analysis (GSEA)を用いた解析から、dnBMAL1マウス海馬では時計遺伝子群の顕著な発現異常が観察され、dnBMAL1発現により海馬時計機能が障害を受けることが明らかとなった。さらに興味深いことに、dnBMAL1マウスの海馬ではcAMP産生を制御する遺伝子群の発現異常が観察され、これら遺伝子群の発現異常によりcAMP濃度の低下が導かれることが示唆された。実際に、トランスクリプトーム解析によりアデニル酸シクラーゼ1、ドーパミン受容体群のmRNA発現低下が示唆され、定量的リアルタイムRT-PCRを用いた解析でも、これらの発現低下が確認された。さらに、以上の結果に基づいて、ドーパミン受容体D1/D5受容体のアゴニストとアンタゴニストを用いた薬理遺伝学的解析 (pharmacogenetics) を行った。野生型マウスに対するD1/D5受容体アンタゴニスト投与はZT4における記憶想起には影響を与えなかったものの、ZT10における記憶想起を選択的に阻害することが示された。従って、海馬の時計機能はドーパミンD1/D5R-cAMP情報伝達経路を介して記憶想起を制御することが示唆された。さらに、cAMP情報伝達経路による記憶想起制御の標的がAMPA型グルタミン酸受容体であると考察して、この仮説の検証を進めた。また、脳搭載型蛍光顕微鏡を用いたGCaMP6による海馬CA1ニューロンのカルシウムイメージングを行い、社会認知記憶形成と想起時のイメージング解析系を確立した。また、CRESTのコンディショナル変異マウスから繊維芽細胞を調整し、細胞レベルでCREST欠損の影響を解析する系を確立した。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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