2016 Fiscal Year Annual Research Report
不活性アルキル鎖のC-C結合開裂:新たなブレークスルーの創出
Project/Area Number |
15H02490
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
向 智里 金沢大学, その他部局等, その他 (70143914)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アレン / ロジウム / 環化付加反応 / 環化異性化反応 / 炭素-炭素結合活性化 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度も遷移金属触媒の持つ特異性を最大限に活用するため、Ⅰ. 環歪みを利用しない炭素-炭素結合活性化法の開発、Ⅱ. 新たな反応場による炭素-炭素結合活性化法の開発、Ⅲ. 本活性化法を利用した,生理活性天然物の効率的合成法の開発の3テーマの遂行を目的に、研究を行った。 テーマI.環歪みを利用しない炭素-炭素結合活性化法の開発では、アルキン-アレン-アルキン体をロジウム触媒と処理したところ、プロパルギル位のC-C結合切断を伴う新規分子内環化反応が進行し、三環性化合物が得られることを見出した。これは、環歪みを全く利用しておらず、従来にない反応性を創出できたものと考えている。現在、化合物データの収集を行っており、今後論文投稿を行っていく予定である。 テーマII.新たな反応場による炭素-炭素結合活性化法の開発では、ベンジルアレン-アルキン体を用いたC-H結合活性化を含む新規環化異性化反応(Angew. Chem. Int. Ed. 2016 , 55, 10473)、アレニン-アルキン体の新規部分的分子内[2+2+2]環化付加反応(Chem. Eur. J. 2016 , 22, 12181)を見出した。 テーマIII.本活性化法を利用した,生理活性天然物の効率的合成法の開発では、分子内Pauson-Khand反応を利用した(+)-Sieboldine Aの全合成に成功した。本合成法は、不活性結合の活性化に基づく合成手法ではないものの、高立体選択的かつ効率的な合成法であったため、Org. Lett.誌( 2017 , 19, 320)にアクセプトされた後、ACS Editors' Choiceに選出されるという高い評価を受けた。 当初計画案とは必ずしも一致しないが、以上のように、立案した3テーマ全てに基づく新たな知見が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画案通りではないが、上記実績概要のように、環歪みを全く利用しない炭素-炭素結合活性化法を見出したことに加え、立案した3種の主テーマに基づく成果がいずれも達成されており、おおむね順調に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、テーマIで見出した、アルキン-アレン-アルキン体のプロパルギル位炭素-炭素結合活性化による新規環化反応の化合物データ収集や論文投稿に加え、テーマIIの新たな展開として、アルケン-アレン-アルキン体を用いた形式的な分子内[2+2+2]環化付加反応や[6+2]環化付加反応を検討し、新たな反応場の構築を目指す。
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Research Products
(23 results)
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[Journal Article] The Discovery of 2,5-Isomers of Triazole-Pyrrolopyrimidine as Selective Janus Kinase 2 (JAK2) Inhibitors versus JAK1 and JAK32016
Author(s)
Lee, S.-M.; Yoon, K. B.; Lee, H. J.; Kim, J.; Chung, Y. K.; Cho, W.-J.; Mukai, C.; Choi, S.; Maeda, A.; Kan, K. W.; Han, S.-Y.; Ko, H.; Kim, Y.-C.
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Journal Title
Bioorg. Med. Chem.
Volume: 24
Pages: 5036-5046
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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[Patent(Industrial Property Rights)] 2-オキサゾリジノン誘導体の製造方法2015
Inventor(s)
稲垣冬彦,向智里,岡田泰彦,松本千明,山田将之,中澤研太
Industrial Property Rights Holder
稲垣冬彦,向智里,岡田泰彦,松本千明,山田将之,中澤研太
Industrial Property Rights Type
特許特開2017-031062
Patent Publication Number
特開2017-031062
Filing Date
2015-07-29
Acquisition Date
2017-02-09