2015 Fiscal Year Annual Research Report
肺高血圧症の新規標的蛋白に関する基礎的・臨床的研究
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15H02535
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
下川 宏明 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00235681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮田 敏 東北大学, 医学系研究科, 准教授 (60360343)
佐藤 公雄 東北大学, 高度教養教育・学生支援機構, 准教授 (80436120)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肺高血圧症 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺動脈性肺高血圧症(Pulmonary arterial hypertension, PAH)は、血管内皮機能低下・血管平滑筋細胞増殖・炎症細胞浸潤などが複雑に相互作用し、肺微小血管の壁肥厚・狭小化(肺血管リモデリング)が進行する致死的疾患である。早期診断は循環器専門医でも難しく、肺移植実施施設に紹介された時点で、既に終末期にあることも多い。重症患者を救う最終手段は依然として肺移植以外に無いが、ドナー数は限られ、移植まで間に合わない症例が多い。なかでも特発性肺動脈性肺高血圧症患者(IPAH)の多くは急速な進行を示し、高度の肺動脈リモデリングを示す。PAHは、依然として内科的根治療法のない致死性疾患である。東北大学病院は、長年にわたり、肺高血圧症に対する基礎的・臨床的研究を行ってきた。しかし、肺高血圧症治療薬の多剤併用療法によっても助けられない症例も依然多く、従来の肺血管拡張作用を標的にした治療法以外の新たな病因蛋白の探索と創薬が必要である。我々は、最近、当科にライブラリー化した患者由来肺組織や肺動脈血管平滑筋細胞を網羅的に解析して候補遺伝子・新規病因蛋白の探索を行い、新規病因蛋白としてを発見した。本研究では、この発見に基づき、全く新しい作用機序からの肺高血圧症の治療法の開発を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまで様々な治療薬の開発が進められてきたが、そのいずれも肺血管拡張作用を標的にしたものである。しかし、その多剤併用療法によっても治療効果が得られない症例も多い。肺血管リモデリングの基盤は肺微小血管平滑筋細胞の異常増殖であるが、この増殖抑制を標的とした治療薬開発により、より有効な治療薬開発が期待できる。従って、我々は、PAH由来血管平滑筋細胞から分泌される新規増殖因子のスクリーニングとそれを標的とする薬剤開発を目指すことを着想した。当科にライブラリー化した肺組織や血管平滑筋細胞を網羅的に解析し、PAH由来平滑筋細胞で特異的に発現・分泌される蛋白を対象に候補遺伝子・新規蛋白の選択・絞り込みを行い、全く新しいPAH病因蛋白を発見したことから、本研究課題はおおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
最終的に絞り込まれたPAHの新規病因蛋白3種類に関して、血管平滑筋特異的遺伝子欠損マウスおよび過剰発現マウスを作成し、慢性低酸素性肺高血圧症モデルによる検討を行う。これらの動物実験は当科で継続的に行っており、既にそのノウハウも蓄積している。病因蛋白が動物実験でも証明された場合は、その病因蛋白の発現・分泌レベルを制御する薬剤のハイスループット・スクリーニング(HTS)を行う。米国や日本で承認済みの数千の薬剤ライブラリーに加えて、東北大学独自で臨床応用目的に開発した薬剤ライブラリーの中から有望な薬剤を検索することで、時間的・経済的に最も効率の良い方法を採用する。東北大学には文部科学省の支援を受け、「創薬等支援技術基盤プラットフォーム事業」が設置され、創薬に活用可能な技術基盤の整備が行なわれている。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Activated TAFI promotes the development of chronic thromboembolic pulmonary hypertension -A possible novel therapeutic target-2017
Author(s)
Satoh T, Satoh K, Yaoita N, Kikuchi N, Omura J, Kurosawa R, Numano K, Md. Elias-Al-Mamun, Mohammad Abdul Hai Siddique, Sunamura S, Nogi M, Suzuki K, Miyata S, Morser J, Shimokawa H.
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Journal Title
Circ Res.
Volume: 120
Pages: (in press)
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Protective roles of endothelial AMP-activated protein kinase against hypoxia-induced pulmonary hypertension in mice.2016
Author(s)
Omura J, Satoh K, Kikuchi N, Satoh T, Kurosawa R, Nogi M, Otsuki T, Kozu K, Numano K, Suzuki K, Sunamura S, Tatebe S, Aoki T, Sugimura K, Miyata S, Hoshikawa Y, Okada Y, Shimokawa H.
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Journal Title
Circ Res.
Volume: 119
Pages: 197-209
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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[Journal Article] Thrombin-activatable fibrinolysis inhibitor in chronic thromboembolic pulmonary hypertension.2016
Author(s)
Yaoita N, Satoh K, Satoh T, Sugimura K, Tatebe S, Yamamoto S, Aoki T, Miura M, Miyata S, Kawamura T, Horiuchi H, Fukumoto Y, Shimokawa H.
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Journal Title
Arterioscler Thromb Vasc Biol.
Volume: 36
Pages: 1293-1301
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research / Acknowledgement Compliant
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