2016 Fiscal Year Annual Research Report
OS言語の談話処理メカニズムに関するフィールド心理言語学的研究
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15H02603
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 教授 (10275597)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安永 大地 金沢大学, 歴史言語文化学系, 准教授 (00707979)
木山 幸子 三重大学, 教養教育機構, 特任講師(教育担当) (10612509)
八杉 佳穂 国立民族学博物館, その他部局等, 名誉教授 (20150063)
遊佐 典昭 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (40182670)
行場 次朗 東北大学, 文学研究科, 教授 (50142899)
酒井 弘 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (50274030)
大滝 宏一 金沢学院大学, 文学部, 講師 (50616042)
杉崎 鉱司 三重大学, 教養教育機構, 教授 (60362331)
玉岡 賀津雄 名古屋大学, 国際言語文化研究科, 教授 (70227263)
金 情浩 京都女子大学, 文学部, 准教授 (70513852)
那須川 訓也 東北学院大学, 文学部, 教授 (80254811)
里 麻奈美 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (80723965)
小野 創 津田塾大学, 学芸学部, 准教授 (90510561)
上山 あゆみ 九州大学, 人文科学研究院, 教授 (70221801)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | OS言語 / 文処理負荷 / 語順 / 思考の順序 / 危機言語 / マヤ諸語 / オーストロネシア語族 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究プロジェクトの目的は,マヤ諸語とオースロネシア諸語のなかのOS言語(特に,グアテマラのカクチケル語と台湾のタロコ語)を対象に,談話内での(1)文理解過程,(2)文産出過程,(3)言語獲得過程,ならびに(4)言語の語順と思考の順序との関係を,聞き取り調査やコーパス調査,行動実験,視線計測,脳機能計測などを用いて,フィールド心理言語学の観点から多角的かつ統合的に研究し,(1)~(4)における個別言語の文法的要因と普遍認知的要因が文脈に埋め込まれた文の処理に与える影響を明らかにし,脳内言語処理メカニズムに関するより一般性の高いモデルを構築することである。それを踏まえて本年度は,以下のような研究を行い,その結果の一部を The 29th CUNY Conference on Human Sentence Processing をはじめ国内外の複数の学会で発表した。また,これまでの成果をまとめた論文を Frontiers in Psychology などの国際学術誌に出版した。 [言語理論・神経基盤部門]前年度の各部門の調査・実験結果を踏まえて、検証すべき仮説を精緻化した。 [理解部門](1)文全体を聞いてから正誤判断を行う全文聴解実験を実施して、語順の処理に与える個別文法的要因と普遍認知的要因の影響を調べた。(2)語順と態が文理解時の処理負荷の途中経過に与える影響を調べる脳波実験を実施した。 [思考部門] タロコ語話者の思考の順序を調べる視線計測・ジェスチャー実験を行った。 [獲得部門] カクチケル語の発話コーパスを拡充した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ほぼ当初の計画通りに順調に実験を行い,興味深い結果が得られている。また,その一部を国内外の学会で発表し,論文化の準備も進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまではOS言語であるカクチケル語とタロコ語を集中的に研究してきたが,今後は比較のために,オーストロネシア語族の他の言語にも研究の射程を広げる予定で準備を始めている。
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Research Products
(12 results)