2018 Fiscal Year Annual Research Report
Clarification of ecosystem functions of bee-pollination system: flowering structure of plant communities and evolution of floral traits
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15H02641
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
工藤 岳 北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (30221930)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀山 慶晃 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (10447047)
市野 隆雄 信州大学, 学術研究院理学系, 教授 (20176291)
石井 博 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (90463885)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 送粉系 / 高山植物 / 開花フェノロジー / 双翅目昆虫 / 遺伝子流動 / 種内変異 / 形質進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
台湾タロコ国立公園の高山帯に設定した調査プロットにて、植物群集の開花フェノロジー調査ならびに訪花性昆虫の調査を3回、それぞれ10日間ずつ行った。気温・地表温度の通年観測を行った結果、台湾の典型的な高山環境における基本的な開花パターンと送粉系構造が明らかとなった。 北海道大雪山系で植物の花形質と訪花性昆虫の調査を行った。雪解け傾度に沿った開花時期と結実成功の継続調査を行うと伴に、雪解け傾度に沿って広く分布するハチ媒花(エゾコザクラ)とハエ媒花(ミヤマキンバイ、ハクサンボウフウ)の繁殖形質ならびに集団遺伝構造の変異に関する調査を行った。 中部山岳域では送粉者の観察、および植物種の花形質を測定し、130種以上の花形質データを蓄積した。これまでに世界各地で計測してきた蓄積データと比較することで、送粉昆虫群集に占めるハナバチ種の割合が異なる群集間で花形質(花色、花形態)が異なることを明らかにした。 さらに中部山岳域では、ポリネーターや交配システムの違いに起因する繁殖特性の種内変異を明らかにした。ウツボグサは山域間および標高間で花筒長に変異が生じており、それが地域的な送粉昆虫の体サイズと相関していた。サラシナショウマは複数のエコタイプ間で繁殖様式が異なっていることを発見した。タイプⅠは主に両性株と雌性株が観察された。タイプⅡは両性株と雄性両全性同株が観察された。タイプⅢは主に両性株からなり、自殖率が高い特徴を有していた。一年草のミヤマコゴメグサで遺伝マーカーを開発し、開花フェノロジーと訪花昆虫の観察と繁殖様式および繁殖成功度の評価を行った。本種は自動自家受粉による繁殖保証能力を持ち、結実率は立地(尾根と谷)や昆虫の訪花頻度とは無関係に、70%以上という高い値を示した。集団の個体数密度は立地によって大きく異なることから、集団サイズは種子生産数以外の要因に依存していると考えられた。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(13 results)