2017 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of porcine oral flora dynamics for determining the main cause of developing swine streptococcosis
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15H02651
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
関崎 勉 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 教授 (70355163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大澤 朗 神戸大学, 農学研究科, 教授 (10253189)
中川 一路 京都大学, 医学研究科, 教授 (70294113)
渡辺 孝康 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (70725514)
黒木 香澄 (石田香澄) 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 特任助教 (80760272)
遠矢 真理 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 特任研究員 (20804694)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 豚レンサ球菌 / 口腔内細菌叢 / 微生物動態 / 感染症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年、豚とヒトの豚レンサ球菌(Streptococcus suis)感染症が多発しているベトナムを調査対象地域として、これと対比する日本の試料も収集して、悉皆的に口腔内微生物動態を明らかにし、本病防除のメルクマール(発症の予兆を示す基準値)を探ることを目的とした。2017.8-9月に7日間ベトナムに出張し、カンボジアとの国境近くの在来豚の養豚場で母豚とほ乳豚のだ液および豚舎内環境試料を収集した。また、これまで実施したベトナムおよび日本のサンプルとの比較するため、2017年10-11月に10日間タイへ出張して、2カ所の大規模養豚場で主に健康な母豚、ほ乳豚、育成豚のだ液、鼻腔スワブおよび豚舎内環境試料を収集した。ベトナムはこれまで同様に試料収集とDNA抽出を行った。タイについては、Kasetsart大学College of Veterinary Technologyの専任講師Dr. Meekhanonとその研究室の学生に協力してもらい、試料採集およびDNA抽出・精製後、簡易定量したDNA試料を日本に持ち帰った。その後、定量的RT-PCRでS. suis DNAの検出を行ったところ、ベトナム・タイいずれの場合も、100%の豚だ液試料からS. suisのDNAが検出された。さらに、qualityの良いDNA試料については、16S rRNA遺伝子領域増幅産物の塩基配列を決定し、配列情報に基づき細菌叢解析を実施した。その結果、試料の種類ごとに主要な細菌属、種構成が異なることは、タイでも同様の成績だった。特に環境試料で多様であることは、これまでの日本の健康豚、ベトナムの健康豚、病豚とも同様であった。また、豚の成育段階ごとにそれぞれ細菌叢組成が異なっていることも同様であった。しかし、特定の成育段階に限って比較すると、国ごと、あるいは養豚場ごとの細菌叢の違いが明瞭になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ベトナムでの在来豚の試料および比較対象とするためのタイの健康豚の試料について、当初想定していなかった試料収集を実施し、これらについても十分な数が収集できた。また、これらの試料からこれまで条件検討した方法により、ほぼ全ての検体から十分な量のDNAが回収でき、そのうちqualityの高い試料に関しては、16S rRNAメタゲノム解析を実施し、さらにレンサ球菌に関して種レベルでの菌種同定も実施できた。以上をまとめると、当初の予定以上の成果が得られているので、qPCRとのデータと整合させ、目的である疾病防除のためのメルクマールの探索、また、その妥当性の評価を実施する基盤はできたものと考えられる。全ゲノムを対象とするメタゲノム解析では、薬剤耐性に関連する遺伝子の種類と相対量、養豚場ごとの動態について明らかにすることができた。以上の状況を総合して今年度の達成度は概ね順調であると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
①豚口腔内試料及び農場環境試料の収集 昨年度までに、十分な数量の試料収集ができたので、最終年度においては、これまで調査しなかった国(台湾、マレーシア、カンボジアなど行き先は未定)での調査を検討している。その際は、特にだ液に集中して試料収集を試みる。現地の実験室状況に不明な点もあるため、場合によってはサンプルを収集できないことも考えられる。その場合は、メタゲノム解析はせずに、通常のPCRまたはLAMP法など、現地で実施可能な検査法によって豚レンサ球菌の有無を調査する。検体の採集は、2017年度と同様に、関崎、大澤、中川、関崎研大学院生、現地研究者・学生が現地で試料を採集し、これまで同様の処理を施して日本に持ち帰る。 ②メタゲノム解析 抽出精製したDNAが得られた場合には、これまで同様16S rRNA遺伝子メタゲノム解析を実施する。昨年から分担者となった黒木・遠矢を中心にその作業に当たる。昨年同様、Illumina社のMiSeqまたはIon Torrent PGMにて塩基配列を決定し、属レベルでの細菌叢の構成動態や主座標分析により、各試料間の関係付けを行う。
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[Journal Article] Epidemiological study on feline gastric Helicobacter spp. in Japan.2017
Author(s)
Kubota-Aizawa S, Ohno K, Kanemoto H, Nakashima K, Fukushima K, Uchida K, Chambers JK, Goto-Koshino Y, Mimuro H, Watanabe T, Sekizaki T, Tsujimoto H.
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Journal Title
J Vet Med Sci.
Volume: 79
Pages: 876-880
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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[Presentation] nvestigation of microbiota in pig farms for understanding the route of Streptococcus suis infection.2018
Author(s)
Hyunjung Kim, Sakura Arai, Kazunori Murase, Takayasu Watanabe, Kasumi Kuroki, Fumito Maruyama, Mari Tohya, Eriko Suzuki, Nachiko Takeshita, Ichiro Nakagawa, Ro Osawa, Tsutomu Sekizaki.
Organizer
第91回日本細菌学会総会 福岡国際会議場(九州大学)
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[Presentation] Comparison of Streptococcus suis in pig farms and the swine oral microbiota between Japan and Vietnam.2017
Author(s)
Hyunjung Kim, Sakura Arai, Takayasu Watanabe, Kazunori Murase, Fumito Maruyama, Mari Tohya, Eriko Suzuki, Nachiko Ogata,Ryoko Yamada, Shinichi Dozaki, Tan Hung Vo, Nguyen Thi Phuong Binh, Ngoc Hai Nguyen, Ichiro Nakagawa, Tsutomu Sekizaki.
Organizer
XXI LISSSD, Fiji.
Int'l Joint Research
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