2015 Fiscal Year Annual Research Report
ソフトウェアセキュリティ・プライバシーのための静的解析・動的検査法
Project/Area Number |
15H02684
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 浩之 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (80196948)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 瑞史 北陸先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (40362024)
橋本 健二 名古屋大学, 情報科学研究科, 助教 (90548447)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | XML / 木変換器 / 情報保存性 / 圧縮 / 直線的文脈木文法 / 木オートマトン |
Outline of Annual Research Achievements |
(1) 非決定性木変換器における問合せ保存性 問合せ保存はデータ変換における情報保存性の一定式化である.変換(ビュー)v が問合せ q を保存するとは,ある問合せ q’ が存在して,任意のデータt に対して q(t)=q’(v(t))を満たすことをいう.すなわち,ソースデータ t への問合せ q の結果を,ビューの結果 v(t) からも得ることができることを意味する.これまでに知られている問合せ保存性はビューが決定性関数であることを前提としている.そこで本研究では,ビューが非決定性関数であることも許すように定義した問合せ保存性について考察した.具体的に,非決定性ビューにおける問合せ保存性として,全称保存性と存在保存性を新たに定義した.そして,ビューが先読み付き拡張線形トップダウン木変換器の合成で与えられ,問合せが決定性単項2階木変換器で与えられる場合に,問合せ全称保存性が決定可能であることを証明した.また,問合せ存在保存性については十分条件を与え,その十分条件が判定可能であるようなビューと問合せのクラスを示した.さらに,問合せが非決定性関数である場合も考慮した問合せ保存の定義とその決定可能性についても議論した. (2) 圧縮構造化文書の直接更新手法 XML文書に対する様々なデータ圧縮法が提案されている.その中で木文法に基づく圧縮法は,圧縮した状態で走査可能であるという特徴を持つ.本研究では,直線的文脈自由木文法によって圧縮されたXML文書を,解凍を行わずに更新する手法を提案した.更新箇所の指定には決定性選択トップダウン木オートマトンを用い,更新操作としてはタグ名の変更,部分構造の削除,部分構造の挿入のいずれかを指定する.また,自然言語処理用コーパスTreebank,DBLPを含む実用規模のXML文書を用いて行った実験結果に基づき,提案手法の有効性を示した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究成果が査読付き学術誌に採録され,学会でも評価されているため.
|
Strategy for Future Research Activity |
静的解析法と動的検査法の理論的基盤を構築するため,木変換器の問合せ保存性,構造化文書の種々の圧縮法と直接更新手法について研究を進めるとともに,XPath式から木オートマトンの変換や,組込みソフトウェアの静的解析への応用にも取り組む.
|
Research Products
(5 results)