2015 Fiscal Year Annual Research Report
分権管理型暗号認証基盤の構築と応用システムの設計と解析
Project/Area Number |
15H02711
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
櫻井 幸一 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 教授 (60264066)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川本 淳平 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (10628473)
穴田 啓晃 長崎県立大学, その他部局等, 准教授 (40727202)
馮 尭楷 九州大学, システム情報科学研究科(研究院, 助教 (60363389)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | 認証 / 仮想通貨 / ブロックチェーン / 計算困難性 / マイニング / 一方向性ハッシュ関数 / グラフクリーク問題 / 暗号通貨 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビットコインの安全性評価、および改良と解析を行った。 ビットコイン・マイニングにおける追加報酬を用いたブロック保留攻撃を考察した。これは利己的マナーが、1つのプールが他を攻撃し、報酬を得るというものである。 我々は、いくつかの異なるシナリオの下での戦略において、利己マイナーが得る金銭報酬の量的解析を行い、攻撃者が最大の利益を得るいくつかの条件と戦略を明らかにした。 マイニングの作業証明には、一方向性ハッシュ関数に関する計算困難な問題が利用されている。ビットコインの安全性の観点から、マイニングを複数回行った時に要する時間の分散は小さいほうが望ましい. しかし、ビットコインはマイニングを複数回行った時に要する時間の分散が大きいという課題がある。我々は、この課題を解決すべく、計算問題をグラフクリーク探索に置き換えた新しい方式を提案した。ハッシュ関数を利用する原方式との理論比較を行い、確かに分散が小さくなるという優位性を、計算機実験においても検証した。 もう一つの改良として、マイニングの作業証明自体を、回収可能性(Retrievability)の証明に置き換える方式の改良も行った。このアイデアを利用したビットコインの改良として、Permacoin がすでに提案されている。我々は、このデータ管理法に局所化を導入することで、記憶容量やネットワーク通信負荷の面で、Permacoinよりも、すぐれた性能を達成できることを理論的に解析した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ビットコインの解析、改良に関しては、確実に成果を出して、国内のコンピュータセキュリティや情報セキュリティシンポジウム、さらに国際会議(査読あり)で発表を行った。分権暗号認証基盤に関しては、昨年の国際会議発表論文のジャーナル化と投稿を進めた。 提案している分権暗号認証基盤や、新たに設計した改良方式の実装をおこなうべく、プラットフォームEtheriumの調査を行い、ここで採用されている暗号機能をはじめとする調査報告論文をコンピュータセキュリティシンポジウムで発表した。 公開研究集会として、九州大学マス・フォア・インダストリワークショップ “Next-generation Cryptography for Privacy Protection and Decentralized Control and Mathematical Structures to Support Techniques” を組織した(組織委員:ISIT 穴田 啓晃(代表),安田 貴徳,Xavier Dahan,櫻井 幸一,NEC 寺西 勇)。
|
Strategy for Future Research Activity |
国内研究会でしか発表していない成果は、英語化し国際会議への投稿をすすめる。実装評価に関しては、実装する対象の絞り込み・仕様を決めて、年度の前半には着手したい。国内の主要なシンポジウム、10月のコンピュータセキュリティ( CSS2016)と1月の暗号と情報セキュリティ(SCIS2016)では、最新の成果を発表する計画である。 ブロックチェーンをはじめ、FinTech(Financial Technology, 金融技術)が、金融サービスで注目され、日本国内でも研究開発や実証実験が急激に、この一年で盛り上がってきた。本研究の成果の応用と還元に意識した動向調査を並行して行う。 ビットコインは、現在の標準暗号技術であるECDSA(楕円曲線離散対数問題署名)とハッシュ関数SHAを利用しているため、保証できる寿命が5年程度である。これを、少なくとも20年以上、できれば30年以上、耐久性のあるシステムに修正変更する技術と方式とが 重要課題である。 研究分担者の一人は所属機関が変わるが、研究継続に関してて支障はない。しかし、もう一人のプライバシー解析担当者は、転出移動に伴い、研究分担継続は困難となった。かわりに、海外からの特任助教を共同研究者に加えて、研究体制を維持する方向である。
|
Research Products
(14 results)
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] Bitcoin Based on Compact Proofs of Retrievability2015
Author(s)
Binanda SENGUPTA, Samiran BAG(ポスター説明者), Sushmita RUJ, and Kouichi SAKURAI
Organizer
he 10th International Workshop on Security (IWSEC2015), Todaiji Cultural Center, 日本,2015年8月26日-28日.
Place of Presentation
Nara, JAPAN
Year and Date
2015-08-26 – 2015-08-28
Int'l Joint Research
-