2016 Fiscal Year Annual Research Report
Decentralized cryptographic infrastructure: Design and Analysis of Applied Systems
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15H02711
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
櫻井 幸一 九州大学, システム情報科学研究院, 教授 (60264066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
穴田 啓晃 長崎県立大学, 情報システム学部, 准教授 (40727202)
馮 尭楷 九州大学, システム情報科学研究院, 助教 (60363389)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 暗号 / 認証基盤 / 仮想通貨 / 暗号通過 / ブロックチェーン / 公開台帳 / グラフ問題 / FinTech |
Outline of Annual Research Achievements |
ビットコインに対する攻撃を解析し、2015年と2016年に発表した国際会議論文(特任助教のSamiran, インド統計研究所のProf.Rujとの共同研究)を発展させたジャーナル論文が、IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION FORENSICS AND SECURITY に採択された:"Bitcoin Block Withholding Attack: Analysis and Mitigation".
穴田 啓晃, 松島 智洋, 川本 淳平, バグ・サミラン, 櫻井幸一: "スケーラブルなプルーフ・オブ・ワークのためのグラーフクリーク・マイニングの分散の解析", (2017年暗号と情報セキュリティシンポジウム)で、Bitcoinにおいて重要な計算困難問題のインスタンスの解を競争的に探索するステップ,いわゆる"マイニング"についてその統計的性質を調査・解析した.結果,マイニングの時間が統計的には指数分布に従うという事実を確認した.更に,研究代表者らの仕事で提案された"グラフクリーク・マイニング"に着目し,計算機実験を行った.結果,マイニングの時間の分散が小さくなる傾向を確認した.これにより,マイニングの時間の分散を制御できる可能性があるとの見通しを得た.
ACM Workshop on Blockchain, Cryptocurrencies and Contracts (BCC'17):以前から研究交流のあるインド統計研究所Sushimita Rujと、ブロックチェーンに関する国際ワークショップを検討していたが、今回AsiaCCS2017(New York大・アブダビ校)との連携開催の運びとなった。この1st BCCのワークショップ長として、Rujと下名、それにマイクロソフトバンガロール研究所のSatya LOKAMが連携した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今回採択された論文が掲載されるIEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION FORENSICS AND SECURITY は、情報セキュリティ分野でのトップジャーナルの1つである。国際会議で発表した論文のジャーナル化は計画にあったが、IEEE Trans. へ採択されたことは、計画以上の成果と自己評価している。また、インドの研究者との共同研究の成果あることも、国際連携を評価したい。
国際会議BCCの開催は、当初の計画にはなかったが、2017年4月のACM-AsiaCCS開催と連携させ成功した。BCCは初回かつFC2017やIEEE Euro S&Pでもブロックチェーンワーク新設と時期的に重なったということもあって、投稿総数は17件、採択は1件のみ、加えて2件をshortで採択した。招待講演は、マイクロソフト側の支援を受けて2件、さらにAsiaCCS本会議ではNEC欧州研究所から、Dr.Rarameが、チューとリアル講演On the Security of PoW-based Blockchainsも行われた。
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Strategy for Future Research Activity |
AsiaCCS2018は韓国で5月に開催予定であり、BCCも第2回ワークショプを併設する計画し、この分野の研究の活性化に貢献する。さらにまだ、国内研究会でしか発表していない成果を、国際会議へ投稿すると同時に、新たな解析結果は国内研究会やシンポジウムで発表する。国際会議ですでに発表した成果も、拡張版を英文ジャーナルへ投稿し、成果の普及をはかる。
ビットコインをはじめとする暗号通貨の要素技術ブロックチェーンの応用として、公開台帳という機能が注目されており、MITの暗号学者MICALIなども、効率的な方式を提案している。本研究も、この方面に注目する必要がある。また、Etheriumに対するDAO攻撃が現実となり、ビットコインでもハードフォークの危険性が深刻化している。安全性の評価と対策の検討を強化する。
欧米を中心に、主要なセキュリティ国際会議に併設される形でブロックチェーンのワークショップが増えている。今年度は欧州の伝統ある国際会議ESORICSに参加し、初回となるInternational Workshop on Cryptocurrencies and Blockchain Technology (CBT 2017)において情報収集も含めた研究交流を行う予定である。
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Research Products
(6 results)