2017 Fiscal Year Annual Research Report
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15H02749
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
新保 仁 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (90311589)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 近傍検索 / グラフ埋め込み / 知識グラフ / 距離学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度は以下の課題に取り組んだ.
(i) 単一高次元空間における距離学習 (distance metric learning) を用いて適切な空間を学習し, その後 k 近傍法により分類を行う, という状況を仮定し, ハブ (多くの事例の最近傍となる事例) の影響について調査した. 結果として, 実際ハブが精度に悪影響を与えており, それが前処理である距離学習の影響によることを発見した. (ii) 一昨年までに本研究の成果として, 事例が (高次元の) 複数の空間に存在する場合に, それらの対応付けを行うタスク (クロスドメインマッチング) において, ハブの悪影響を効果的に取り除く手法を提案している. この考え方を応用し, (i) の状況で, 距離学習に変わって用いることができる前処理法を提案し, 分類精度が向上することを示した. (iii) 不完全な知識ベース中の事象 (entities) 間の関係 (relation) を補完する「知識ベース補完 (knowledge base completion)」と呼ばれるタスクにおいて, 事象や関係をベクトル空間に埋め込んで解く各種の手法 (グラフ埋め込み法) が注目を集めている. われわれは, このタスク・手法に着目し, 有効な距離尺度・類似度尺度について調査・分析を行った. 特にベクトル畳込みに基づく HolE と呼ばれる手法と, 複素空間への埋め込み法である ComplEx とよばれる手法が相互に変換可能であることを発見した. (iv) ComplEx において, 現実世界に関する「知識」が持つ性質を反映した正則化項を提案し, 性能向上を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
距離学習における, ハブの影響を解消するための手法を考案し, 簡単であるが有効であることを示すことができた. 知識ベースの一種である知識グラフのベクトル空間への埋め込みに新たに取り組み, その性質について今後の研究を展開するために必要な知見が得られた. これらの成果をまとめた論文は PAKDD, ACL, IJCAI, AAAI といった国際会議に採択され, 研究成果は順調に得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
2018年度も, 知識グラフの埋め込みに関する研究を進める. 埋め込み空間における, entity, relation ベクトルがどのような分布をしているか, を分析する. 特に, これらの埋め込み法で用いられる負例サンプリングと呼ばれるテクニックについて分析する予定である.
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Research Products
(4 results)