2017 Fiscal Year Annual Research Report
A new light energy flow model connecting from sunlight to marine ecosystem
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15H02800
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
吉澤 晋 東京大学, 大気海洋研究所, 准教授 (00553108)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋細菌 / 微生物生態 / ロドプシン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、近年明らかとなった “太陽光エネルギーを海洋生態系へ結ぶ新しいパスウェイ”である細菌型ロドプシンの地球規模でのエネルギー収支を追求するため、データベース上に爆発的なペースで蓄積し続ける機能未知ロドプシン遺伝子の光エネルギー利用機構および利用効率を、情報科学技術および全遺伝子合成技術を駆使することで多角的に解明し、地球規模エネルギーフローを理解するうえで緊急に必要とされている“ロドプシンを基軸とする新しい光エネルギーフローモデルの構築”を目的とする。 平成29年度は、海洋細菌の光への適応機構を明らかにするため、プロテオロドプシン遺伝子(PR)を持つ細菌と持たない細菌の大規模比較ゲノム解析を実施し、それぞれの特徴を調べた。その結果、PRを持たない海洋表層のフラボバクテリアは、その多くがAPE(aryl polyene)またはFTP(flexirubin-type pigments)という細菌の外膜に局在する色素を合成する遺伝子を持つこと、一方で、PRを持つ細菌でこれらの色素を合成する遺伝子を持つ株は、一株も存在しないことが分かった。APE、FTPはともに生物のDNAにダメージを与える紫外線を吸収する色素であり、外膜において光を遮ることで、そうしたダメージから細胞内部を保護する「日傘」のような役割があることがこれまでの研究によって報告されている。したがってこの発見は、PRによって光エネルギーを利用することにより、逆に光や紫外線によるダメージを受けてしまうというデメリットが生じてしまうこと、そして、海洋表層に生息する細菌には光からエネルギーを得る「太陽電池型」と色素で光を遮る「日傘型」の適応戦略があることを示唆している。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(10 results)