2016 Fiscal Year Annual Research Report
大気微小粒子中のバイオマス起源有機粒子の同定と発生源の評価
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15H02812
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Research Institution | Asia Center for Air Pollution Research |
Principal Investigator |
坂本 和彦 一般財団法人日本環境衛生センターアジア大気汚染研究センター, その他, 所長 (20111411)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐坂 公規 埼玉県環境科学国際センター, 大気環境担当, 主任研究員 (80415398)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 環境分析 / 大気汚染防止・浄化 / 有機粒子 / 植物起源 / 二次生成 / 一次発生 / 炭素同位体分析 / 人為起源 |
Outline of Annual Research Achievements |
2009年に設定された微小粒子状物質(PM2.5)の環境基準(日平均値: 35 μg/m3、年平均値: 15 μg/m3)達成率は低く、非達成局は大都市部と西日本に偏在し、大陸からの越境汚染と都市部の汚染が問題となっている。PM2.5の低減対策を検討するためには構成成分ごとの発生過程の解明が必要である。中でも有機粒子は発生源から直接排出される一次発生粒子と大気中において揮発性有機物(VOC)から粒子化する二次生成粒子があり、そのそれぞれに人為起源のものと自然起源のものがあり、これらの生成過程の解明が求められている。 本研究では、南関東でPM2.5高濃度が出現する夏季と秋季から初冬季にかけてPM2.5を日中と夜間に分けて採取し、同一試料について植物起源有機粒子の分子マーカーと炭素同位体の分析を行い、有機粒子の生成過程を調べ、次の点を明らかにした。 (1)夏季ならびに秋季・初冬季におけるPM2.5の炭素同位体分析の結果から、PM2.5への寄与が無視できない割合で植物起源粒子が存在する。 (2)植物から発生する揮発性炭化水素であるイソプレンやテルペンから二次生成する有機分子マーカーと植物の野焼きから一次発生する有機分子マーカーの分析結果から、植物起源粒子として夏季はイソプレンやテルペン由来の二次生成粒子の割合が高い。秋季・初冬季はそれらの二次生成粒子も存在するが田畑等での植物燃焼による一次発生粒子の割合が高い。 (3)夏季は日中の方が夜間より人為起源粒子の割合が高いが、秋季はむしろ逆の傾向があり日中の二次生成粒子の寄与が夏季より低い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
(1)試料採取装置の納入時期の遅れにより、試料採取時期が繰り越されため、大量のPM2.5試料についての有機分子マーカー、イオン成分、炭素成分の分析が年度内に集中し、その一部を繰り越さざるを得なかったこと。 (2)採取されたPM2.5濃度が低濃度であったため、大量に試料を必要とする炭素同位体分析を他の成分分析実施後の残存試料について行うこととしたために、本研究で最も重要な炭素同位体分析の多くが本年度末まで遅れてしまったこと。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)炭素同位体分析用の試料調製後の他の成分分析を並行して行うことにより、必要な分析データを本年度前半中に得られようにする。 (2)過去に採取した季節別試料についても、新たに植物起源分子マーカーの成分分析を行い、複数年にわたるデータから、植物起源粒子の生成過程を解析する。
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Research Products
(3 results)