2016 Fiscal Year Annual Research Report
微生物由来金属輸送体の発現制御による次世代型有害金属複合汚染浄化植物の開発
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15H02839
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
清野 正子 北里大学, 薬学部, 教授 (30239842)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | メチル水銀 / Mer輸送体 / 有害金属複合汚染浄化技術 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、微生物由来の有害金属輸送体であるMer輸送体の能力と、植物の細胞型特異的発現系、細胞内局在因子の基盤を融合し、より効率的な有害金属浄化植物の作出を目指すものである。H28年度は、昨年度に引き続き、シロイヌナズナの細胞型特異的プロモーター制御下で蛍光タンパク-MerC-SNARE分子を発現する組換えシロイヌナズナの確立を進めた。ハイグロマイシン耐性をマーカーとしてT1個体を選抜し、T2世代において3:1分離比の確認後、表皮細胞発現系統、内皮細胞発現系統についてはT3世代において複数のホモ系統を確立した。T2およびT3植物において、蛍光タンパクの発現を指標として顕微鏡観察を行ったところ、それぞれ表皮細胞、内皮細胞特異的な蛍光シグナルを観察した。表皮細胞発現系統の根端について、蛍光タンパクの細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡で観察した。また、昨年度に確立した固形培地を用いた栽培系とICP分析を応用し、複合元素汚染を想定した条件での有害元素の蓄積評価系を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画した形質転換シロイヌナズナのホモ系統の確立は順調に進行している。また、表皮および内皮細胞発現系統について、それぞれ細胞型特異的なタンパク発現を確認している。
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Strategy for Future Research Activity |
先行している表皮および内皮細胞発現系統について、細胞型特異性・細胞内局在を共焦点レーザー顕微鏡で解析を進める。導入遺伝子の発現レベルの系統間差について、リアルタイムPCRによってmRNAレベルを定量比較する。さらに、昨年度までに確立した重金属蓄積評価系を用いて、各系統の有害元素の蓄積能を解析し、導入遺伝子の発現による蓄積能の向上について検証する。表皮および内皮細胞以外の発現系統については、随時 T3世代においてホモ系統を確立し次第、顕微鏡観察および遺伝子発現レベルの解析、重金属蓄積性の評価に進める。
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Research Products
(3 results)