2018 Fiscal Year Annual Research Report
Behavioural and physiological measurements of seabirds to assess important bird areas under environmental impacts
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15H02857
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Research Institution | National Institute of Polar Research |
Principal Investigator |
高橋 晃周 国立極地研究所, 研究教育系, 准教授 (40413918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新妻 靖章 名城大学, 農学部, 教授 (00387763)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 海洋保全 / 海洋生態 / 環境変動 / 動物行動 / バイオロギング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、魚類などを大量に消費する海鳥を指標種として、海洋生態系保全のための重要保全海域を効率的に抽出する手法を確立することである。日本周辺海域に分布する潜水性海鳥ウトウに小型照度記録計を装着して繁殖後の移動軌跡を調べ、同時に血液・羽根の分析から個体の生理ストレスレベルを調べる。どの海域に行っていた個体の生理ストレスが高かったか評価することで、ウトウの生存・繁殖にとって重要な海域をつきとめることを具体的な目的としている。計画の最終年度にあたる今年度は、北海道天売島のウトウ繁殖地で野外調査を実施し、照度記録計の回収作業および血液・羽根のサンプル採取を実施した。野外調査終了後に照度記録計のデータ解析および血液・羽根の安定同位体比分析、生理ストレス分析を行い、繁殖後の移動軌跡と個体の生理ストレスレベルとの関係を調べた。また、重要海域の空間スケールの種間比較や、移動軌跡から決めた重要海域を効果的に海域保全に用いるための方策検討に関わる国際共同研究にも参画した。ウトウは冬の期間(12月-2月)に朝鮮半島周辺海域を利用する個体と新潟沖周辺を利用する個体に分かれていたが、羽根に蓄積されたストレスホルモンの濃度には利用海域による違いは見られなかった。また、ストレスホルモンの濃度には年間の違いが見られ、越冬海域の海洋環境の年変動がウトウの生理ストレスレベルに影響していることが示唆された。一方、ウトウは秋の期間(8-10月)にオホーツク海のサハリン沿岸海域を利用していたが、この間、7週間もの間ほとんど飛翔を行わないことが照度記録計の着水センサーデータの解析から新たにわかった。これは翼の風切羽根が一斉に換羽する時期に対応しており、換羽によって飛翔能力が落ちると効率的に餌生物を探すことが難しくなると考えられる。サハリン沿岸海域が換羽期のウトウの生存にとって重要な海域であることが示唆された。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)