2015 Fiscal Year Annual Research Report
成長促進細菌を利用した高生産性・高CO2削減性ウキクサバイオリファイナリーの開発
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15H02861
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
遠山 忠 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (60431392)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | バイオマス利用 / バイオリファイナリー / ウキクサ / デンプンバイオマス / ライフサイクル評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、未開学なウキクサ科植物PGPBの基礎と技術を開発するとともに、「PGPB技術」×「デンプン生産ウキクサ栽培」によるエネルギー生産性とCO2排出削減性を徹底的に高めたデンプンバイオマス生産システムを創出することを目的としている。 平成27年度は、ウキクサ科植物PGPBの探索とその特徴づけと、ウキクサ科植物PGPBの成長促進効果の定量的評価を行った。 ウキクサ科植物PGPBの探索とその特徴づけ:この実験では5種類のウキクサ科植物からPGPBの探索を試み、合計220株以上のPGPBを獲得することができた。そのうちの半数がウキクサ科植物のバイオマス生産を2倍以上促進するPGPBであった。中には、バイオマス生産を4倍以上促進するPGPBも見出された。 ウキクサ科植物PGPBの成長促進効果の定量的評価:分離したPGPBを管理された培養条件でウキクサ科植物とともに共培養し、成長促進を定量評価した。さらに、その成長促進効果の持続性についても評価し、高い成長促進効果を持続的に発揮するPGPBをグルーピングした。この定量評価を60菌株のPGPBで終了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、ウキクサ科植物PGPBの探索とその特徴づけと、ウキクサ科植物PGPBの成長促進効果の定量的評価を行った。 ウキクサ科植物PGPBの探索とその特徴づけでは、5種類のウキクサ科植物から合計220株以上のPGPBを獲得することができた。そのうちの半数がウキクサ科植物のバイオマス生産を2倍以上促進するPGPBであった。当初の達成目標は、ウキクサの成長を2倍以上促進するPGPBを30株分離することであった。その目標は達成することができた。 ウキクサ科植物PGPBの成長促進効果の定量的評価では、60菌株のPGPBでその評価を終了した。当初の達成目標は、30株のPGPBで評価を終えることであった。その目標は達成することができた。 これらの一連の実験成果を国際会議で2件、国内学会発表で1件報告した。 これらを総合的に判断し、「おおむね順調に進展している」と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在の研究進捗状況は、「おおむね順調に進展している」と判断できたことから、当初の計画通りに今後の研究を推進する。 平成28年度は、ウキクサ科植物PGPBの成長促進効果の定量的評価を様々な気象・栽培条件で実施する。また、ウキクサ科植物PGPBの成長促進効果のメカニズム解明を実施する。ウキクサのメタボローム解析、トランスクリプトーム解析と機能遺伝子の発現解析などを駆使して、分子レベルのメカニズムを解明する。
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