2017 Fiscal Year Annual Research Report
干潟再生事業における住民認識に根ざした新・環境コミュニケーションモデルの構築
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15H02873
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Research Institution | Ritsumeikan Asia Pacific University |
Principal Investigator |
山下 博美 立命館アジア太平洋大学, アジア太平洋学部, 准教授 (90588881)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三上 直之 北海道大学, 高等教育推進機構, 准教授 (00422014)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 環境政策・環境社会システム / 環境正義 / 環境リスク・コミュニケーション / 自然再生 / 干潟 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、研究代表者らが行った日本、イギリス、オランダ、マレーシアの干潟再生事業直近住民のリスク・ベネフィット認識調査(科研費若手研究B:23710056)を空間的(事業直近住民から近隣住民)・時間的(直近住民の認識変化)に発展させ、①干潟再生事業に関する住民のリスク・ベネフィット・「公平性」の認識(受益圏・受苦圏の存在とその認識)、②時間経過とともに住民のリスク・ベネフィット認識を変化させている要因、及び③事業実施者の環境コミュニケーション実践と住民のリスク・ベネフィット・公正認識の関連性を国際的に解明することである。これらの結果を通し、リスク・ベネフィット認識に配慮した包括的かつ住民に「公正」と判断される環境コミュニケーションを形づくる要素を整理、それらを体系化したモデルを構築し、現在進行中、及び将来の再生事業に提案する。
【平成29年度・3年目】以下の実施を行った。 A.研究会議、B.平成30年度の国際シンポジウムの準備・志摩市での打ち合わせ会議、C.スティアート(イギリス)のサイトにおける調査を継続し、現地研究協力者と打ち合わせ、D.クアラグラにおける調査準備・実施・分析・執筆、クアラグラの質問票調査レポート印刷。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マレーシアのデータ収集は順調にいったが、その後のデータ分析において時間がかかった。最終的には4か国語(マレー語・中国語・英語・日本語)の調査初期分析レポートを印刷することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、研究最終年として、これまでのデータをまとめながらイギリスサイトの質問票調査を実施し、全体のまとめ作業を行う。 A.研究計画作成:チーム会議をスカイプ、及び国内で集まり行う。これらの会議を通じて、平成28年度の研究計画の最終の調整、データ分析枠組みの確定を行う、B.志摩市にて本研究チームが主催の「干潟・海辺の再生とまちづくり国際シンポジウム」を開催する、C.スティアート(イギリス)のサイトにて、質問票調査を行う、D.研究の最終レポートの執筆を行う、E.学会や学術会議にて、研究経過を発表し分析に対する助言を仰ぐ。
研究代表者は、上記の業務の全ての部分に携わる(統括・概念整理、サイトデータ収集・分析、再生活動団体・研究者との連携)。研究分担者は、干潟再生意思決定プロセスデータ収集・分析、リスク・コミュニケーション研究を行い、その他、研究作成へのアドバイス等、研究代表者に助言を与える。研究協力者は、研究計画全体や、研究手法・分析に対するアドバイスを行う。
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Research Products
(9 results)