2016 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of the effect of phenylpropanoid improving brain function by gut-brain interractions
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15H02894
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小林 彰子 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90348144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 正仁 金沢大学, 医学系, 教授 (80191336)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ポリフェノール / アルツハイマー病 |
Outline of Annual Research Achievements |
27年度に引き続き、Tg2576マウスに1年間ロスマリン酸(RA)混合餌を摂食させ、AD予防効果を検討した。比較のために野生型マウスも同様にして飼育した。行動試験において、野生型マウスでは、コントロール群(C群)およびRA群共に認知機能低下は認められなかったが、ADモデルマウスではC群において認知機能が低下し、RA群では認知機能低下が抑制されることが明らかとなった。抗体免疫染色およびELISAにより脳内アミロイドβ(Aβ)の沈着を測定した。また、このマウスの脳(海馬)を摘出し、DNAマイクロアレイ解析を実施した。現在、認知機能低下に繋がる因子を解析している。 金沢大学において実施された動物実験での脳サンプルを用いてDNAマイクロアレイを実施した。得られたデータをDFWで正規化後、FDR<0.1を満たすプローブセットをWeb解析ツールIngenuity Pathways Analysis(IPA)に供した。遺伝子を機能カテゴリーごとに分類すると、機能低下と判定されたカテゴリーとして、apoptosis、cell death、necrosisなどが上位に位置していたため、Tgマウスの脳内ではRA摂食により細胞死が抑制される可能性が示唆された。それ以外にも、我々はAβ沈着抑制に繋がる、RA摂食によって生じる脳内物質の変化に着目した。その物質について、HPLCを用いた部位別の脳内濃度測定やイメージングMSを実施し、局在性を検討した。 7週間RAを摂食した野生型マウスの脳および血漿を採取し、RA濃度をクーロメトリック式HPLC-ECDで測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標通り、マイクロアレイの解析を進め、AD予防ターゲットと成り得る因子を数種同定し、野生型マウスを用いてその表現型を確認した。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度までにADモデルマウスを用いてRAの認知機能低下抑制を検討した。また野生型マウスを用いてRAの体内動態を明らかにした。脳内における遺伝子発現変化からRAの新たな機能性およびターゲット因子の候補を見出し、その因子の脳内局在性および脳内濃度を明らかにした。29年度は、RA摂食により生じる脳内変化についてさらに解析を進めると共に、RAを摂食したマウスの消化管上皮のオミックス解析によりRA摂食により活性化される可能性のある候補分子を選抜する予定である。
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Research Products
(7 results)