2015 Fiscal Year Annual Research Report
Preventive effect of dietary flavonoids on nocturnal light exposure-related diseases
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15H02899
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10162728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 倫子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (00707036)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光環境ストレス / 乳がん / 心疾患 / PAI-1 / アドレナリン受容体 / フラボノイド / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
現代社会は、経済のグローバル化に伴い24時間型社会となり、労働時間や勤務形態の多様化が進み、深夜交代制勤務者だけでなく、サービス業や小売業においても夜間の照明に曝露される機会が増加している。また、我々の日常生活も夜型化している。本研究では、24時間型社会において危惧される疾患として、乳がん、心血管系疾患(血栓症、動脈硬化)に着目し、カテコールアミンとPAI-1の変動をリスク因子としてとらえ、光環境の変化に伴うこれら疾患の増加機序の解明と食事性フラボノイドの予防的機能について検討することを目的とした。本年度は、マウスを用いた光環境ストレス負荷モデルとして、以前に、1、2時間の光曝露を暗期に行ったので、3時間の光曝露について検討した。 4週齢の雄性C3H/Heマウスを12時間周期の明暗サイクル下で4週間順化し、ZT14(照明の点灯時刻をZT0とする)から3時間250ルクスの光を曝露後、経時的に解剖を行い、血中コルチコステロン、ACTH、PAI-1、カテコールアミン類濃度、肝臓および心臓の血液線溶系、凝固系遺伝子の遺伝子発現量を測定した。その結果、ZT17において血中のアドレナリン濃度が有意に増加し、血中のACTHおよびコルチコステロン濃度がZT20でピークとなり有意な増加が見られた。血中のPAI-1濃度はZT20において有意に増加した。一方、ZT14以降において心臓中のPai-1遺伝子およびTF遺伝子の発現は有意に増加し、線溶系のtPA遺伝子の発現は有意に低下した。これらの結果から、暗期の光曝露がストレス応答系のSAM系及びHPA系を活性化し、血液線溶系が抑制され、血液凝固系が促進される可能性が示唆された。 さらに、別の光環境条件として明暗シフト条件について予備的に検討したが、12時間シフトモデルを次年度にさらに詳細に検討することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成27年度は、既述したようにマウスを用いた光環境ストレス負荷モデルの構築を目的に、暗期における3時間の光曝露の検討を主に行ったが、明暗シフト条件の検討を新たに追加したため、乳がん細胞移植試験モデルの確立が当初の予定より遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
乳がん細胞の移植試験として、マウスの乳がん細胞をマウスに移植する同種移植系とヒト乳がん細胞を免疫不全マウスに移植する異種移植系の二つの試験系を確立し、光環境ストレスの影響を検討し、さらに、心臓や血管への影響を検討する。また、光環境ストレスによるPAI-1の遺伝子発現に及ぼすケルセチンの投与効果について検討する。
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Research Products
(4 results)