2016 Fiscal Year Annual Research Report
Preventive effect of dietary flavonoids on nocturnal light exposure-related diseases
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15H02899
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
下位 香代子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 教授 (10162728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
保田 倫子 静岡県立大学, 食品栄養科学部, 助教 (00707036)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 光環境ストレス / 乳がん / 心疾患 / PAI-1 / アドレナリン受容体 / フラボノイド / 予防 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度の結果から、暗期の3時間の光曝露によりストレス応答系のSAM系及びHPA系が活性化され、心臓中のPai-1遺伝子およびTF遺伝子の発現が有意に増加し、線溶系のtPA遺伝子の発現が有意に低下することがわかり、血液線溶系が抑制され、血液凝固系が促進される可能性が示唆された。そこで、4週齢の雄性C3H/Heマウスを12時間周期の明暗サイクル下で4週間順化した後、ZT14から光を曝露する1時間前に、βアドレナリン受容体のアンタゴニストであるブトキサミン、ケルセチン抱合体を投与し、Pai-1遺伝子の発現に対する影響を検討したところ、低下傾向が見られた。一方、心臓のどこの部位が特に影響を受けるのか検討したところ、上部組織が影響を受けることがわかった。 4週齢の雌性BALB/cマウスを12時間周期の明暗サイクル下で1週間順化した後、マウスにマウス乳がん細胞を第4乳腺パッドに移植して、通常飼育条件下と12時間の明暗シフトモデル条件下でマウスを飼育し、7週間後に腫瘍の進展と転移の様子を観察したところ、明暗シフトモデル条件下飼育の方が腫瘍がやや大きく、転移数も多い傾向があり、また、リンパ節の腫脹も多く見られた。移植後の時間経過についてさらに検討中である。ヒト乳がん細胞を免疫不全マウスに移植する試験を行うにあたり、浸潤能が高い細胞をinvasion assayを行って選別した。 現在、アポE欠損マウスを用いた動脈硬化の進展に対する明暗シフトの影響についても検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マウス乳がん細胞移植試験については順調に進んでいるが、ヒト乳がん細胞を免疫不全マウスに移植する試験については検討中である。血管内皮細胞への影響の検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス乳がん細胞移植試験をさらに進めるとともに、ヒト乳がん細胞を免疫不全マウスに移植する試験、アポE欠損マウスを用いた動脈硬化の進展に対する明暗シフトの影響に関する試験も進める。その際、心臓や血管、動脈硬化巣、転移した腫瘍における関連の種々の遺伝子の発現等について検討する。また、血管内皮細胞にアドレナリンやノルアドレナリンを一定時間作用させ、細胞および培養液上清を採取し、PAI-1の発現を遺伝子発現およびウェスタンブロットにより、また、細胞からのPAI-1、t-PAの分泌をELISAキットにより検討する。これらの実験系においてケルセチン抱合体の影響を検討する。
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Research Products
(4 results)