2017 Fiscal Year Annual Research Report
小・中学校理科で教科書の結果と矛盾してしまう観察・実験の解決策と海外への発信
Project/Area Number |
15H02910
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
山下 修一 千葉大学, 教育学部, 教授 (10272296)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 徹也 千葉大学, 教育学部, 教授 (00224519)
大和 政秀 千葉大学, 教育学部, 准教授 (00571788)
林 英子 千葉大学, 教育学部, 准教授 (40218590)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 理科教育 / 観察・実験 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小・中学校理科の観察・実験で工夫しても教科書通りの結果が得られないものが存在し,児童・生徒の観察・実験結果を生かしたまとめができず,理科教員たちを悩ませている状況を鑑み,現職理科教員を対象にした質問紙調査およびインタビューにより,教科書の結果と矛盾してしまう観察・実験を特定する。そして,教科書の結果と矛盾しなくなるように,教科内容専門の分担研究者や海外共同研究者とともに解決策を開発し,実際の理科授業でその有効性を実証することを目的とする。また,今までは限られていた優れた日本の理科授業 (特に観察・実験)の情報を広く国内外で共有することも目的とした。 平成29年度は,現職教員対象の調査結果から,最も「うまくいかない」と回答された割合が高かった化学「定比例の法則を示す金属の酸化実験(81.1%)」,生物「細胞分裂の観察(59.5%)」の改善例を開発し,論文化した。「血液の循環」「光合成」「植物の結実」「金星の満ち欠け」の改善例を開発し,研究・論文発表した。また,シンガポール・NIEやドイツ・ブレーメン大学との共同研究の成果を発表し,優れた日本の理科授業 (特に観察・実験)の情報を国内外で共有した。そして,新たにカナダ University of British Columbia,ドイツのCarl von Ossietzky Universityの理科教育チームと研究計画推進のための会議を実施し,実際に共同研究が実現することになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
着実に,工夫しても教科書通りの結果が得られない観察・実験の改善例を提案し,研究・論文発表に結び付けている。また,シンガポール・NIEやドイツ・ブレーメン大学との共同研究の成果を発表し,優れた日本の理科授業 (特に観察・実験)の情報を国内外で共有している。 平成30年度は,研究代表者がサバティカル研修で一年間,The University of British Columbia( Canada )にVisiting Professorとして滞在し,Mathematics and Science EducationのProf. Anderson や Prof. Tanらと共同研究を推進することになった。今後は,シンガポール・ドイツに続き,カナダの理科教育チームと共同研究を推進し,他国の知見も取り入れて解決策を開発し,本研究知見を各国でも共有する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は,本研究の最終年度にあたり,研究代表者がサバティカル研修で一年間,The University of British Columbia( Canada )に滞在し,共同研究を推進することになった。今までのシンガポール・NIEやドイツ・ブレーメン大学との共同研究に加えて,昨年度までの工夫しても教科書通りの結果が得られない観察・実験の改善例をカナダでも検討し,優れた日本の理科授業 (特に観察・実験)の情報を国内外で発表する。 研究代表者は,カナダ滞在中に現地の小・中学校で日本式のLesson Study(授業研究)を展開しながら,本研究の成果を現地の理科授業改善に生かすことも計画している。 研究分担者は,Twincle・「逆」Twincle Programで来日した留学生たちにも,本研究の成果を優れた日本の理科教育のコンテンツとして紹介し,科学の授業づくりに生かしてもらう予定である。
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[Journal Article] アクティブ・ラーニングを主体とする海外教育インターンシッププログラムの開発と評価2017
Author(s)
野村純, 吉田恭子, 山野芳昭, 山下修一, 鶴岡義彦, 藤田剛志, 小宮山伴与志, 大嶌竜午, アシャディアント サプト, 馬場智子, 飯塚正明, 板倉嘉哉, 加藤徹也, 木下龍, 下永田修二, 白川健, 杉田克生, 高木啓, 辻耕治, 林英子, ホーン ベヴァリー, 大和政秀, 米田千恵
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Journal Title
科学教育研究
Volume: 41(2)
Pages: 141-149
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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