2017 Fiscal Year Annual Research Report
算数文章題を対象とした構造的理解の支援に関する研究
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15H02931
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
平嶋 宗 広島大学, 工学研究科, 教授 (10238355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀口 知也 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (00294257)
東本 崇仁 東京工芸大学, 工学部, 助教 (10508435)
林 雄介 広島大学, 工学研究科, 准教授 (70362019)
山元 翔 近畿大学, 工学部, 講師 (90735268)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 算数・数学の文章題 / 構造的理解 / 三角ブロック / 組み立て演習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,複数の演算で解決される算数・数学の文章題を,1回の演算関係で表すことのできる単位文章題が連結されたものであるとし,さらに単位文章題を三つの数量概念の連結されたものとして捉えた上で,三角ブロックモデルを提案し,この三角ブロックモデルを用いた算数・数学の文章題の学習支援システムの設計・開発およびその実践運用を試みている.三角ブロックモデルでは,単位文章題は,三角形の各頂点にそれぞれ数量概念を配置し,各辺は各辺の両端の数量概念の演算によって対頂点に存在する数量概念が導かされることを表現している.単位文章題の連結は,ある単位三角ブロックの底辺に対する対頂点の数量概念と,別の単位三角ブロックの底辺の数量概念とを重ねることで行われる.平成29年度においては,この三角ブロックモデルに基づく文章題の学習支援として,物語式・計算式や一部の「数量」を与えた上での三角ブロック表現の組み立て演習をインタラクティブに行うシステムを設計・開発した.これにより,三角ブロックを組み立てる一連の活動が演習として実現できるようになった.三角ブロックを変更・比較するよりメタな演習は,次年度の課題となる.また,中学校における方程式を立てて解く文章題に関しても,方程式を立式するまでの過程は算数の文章題と同様に数量概念間の関係を見つけ,組み立てる過程であると考え,中学校における数学文章題の立式支援の過程に適用する試みも行い,立式支援として活用可能であることを確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた機能がおおむね開発できていると共に,中学校における方程式立式の文章題に対しての適用も試みることができたことから,研究課題としての進展は順調であると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度においては,システムの実装として,三角ブロック表現を変更することで別の文章題を作成する演習活動,および三角ブロック表現を用いて文章題を構造的に比較する活動,の二つの活動をインタラクティブに行えるように,学習者の活動環境,学習者の活動の診断機能,診断に基づくフィードバック機能,を実現する.さらに,中学校における立式支援としての有効性についても調査する予定である.
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Research Products
(4 results)