2015 Fiscal Year Annual Research Report
巨大壁面電子黒板と携帯端末を利用した大学講義のインタラクティブ化に関する研究
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15H02938
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Research Institution | Toyo Eiwa University |
Principal Investigator |
柳沢 昌義 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (30319008)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 俊彦 東京福祉大学, 教育学部, 准教授 (20327290)
佐藤 弘毅 名古屋大学, 学内共同利用施設等, 講師 (60402377)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 電子黒板 / スマートフォン / アクティブラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、当初計画どおり、従来までのプロトタイプシステムの見直しおよび、翌年度に予定されているハードウェア導入のための調査活動である。
1.従来までのプロトタイプの見直し。 平成27年度には、従来のシステムのうち、特に「流動字幕」について焦点を絞ってその機能の限界や将来的な改良について議論を行い、また、システムの拡張、そしてその有効性の検証のための実験を行った。従来のシステムでは、学生が発信したメッセージは、巨大スクリーンの端から逆端までただ流れていった。本研究以前の実験によって、ただ流れてしまうメッセージは、たとえそれが重要であっても読み飛ばしてしまったり、記憶に定着しないことがわかっている。そこで、重要なメッセージは、講師が電子黒板操作によってその流れの中から引っ張り出し、画面内に定着させるという機能(かつおの一本釣り機能と呼ぶ)を新たに実装した。被験者80名を2群にわけ、新機能の有無による学習内容の記憶の差異を調べる実験を行った。現在、詳細なデータは分析中であるが、新機能の有効性が示唆されるようなデータが一部得られている。研究分担者との打ち合わせにより、新たに、重要なメッセージを自動的に仕分けする機能を考案することができたため、平成28年度にはそれらの機能を実装しつつ、学習に有用なシステムへと発展させていく予定である。 2.ハードウェアの再設計 現在のプロトタイプシステムで利用している画面は約300インチでXGA2画面分であるが、今後の開発の利便性や他大学での実践的利用のために200インチのFullHD相当のデザインの可能性も検討した。実際に、分担の名古屋大学において同等の環境を構築し、来年度以降の実践授業で使用予定である。しかし、壁全体の電子黒板化にむけて2K(FullHD×2)の環境も構築すべく、本年度は業者等と十分な打ち合わせをおこなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の計画通り、初年度の研究は遂行できたと思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、夏にむけてハードウェア環境の整備を行う。業者等との綿密な打ち合わせを行い、8月に2Kの電子黒板環境を構築する予定である。そのシステムの初運用は9月後半。その没入感などの有効性を検証したい。同時に、流動字幕の新機能の実装、昨年度の実験の分析を進め、9月に80人程度の被験者を対象に、新機能の有効性を検証する実験を行う予定である。 10月より、本格的にシステムを用いた実証実験のための授業を3ヶ月間継続して行う予定である。
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