2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03003
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
蒲池 利章 東京工業大学, 生命理工学研究科, 准教授 (30272694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 栄紘 東京工業大学, 生命理工学院, 特任助教 (70707918)
田畠 健治 第一薬科大学, 薬学部, 准教授 (80312263)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 酸素イメージング / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本申請研究では、既設の酸素濃度イメージング共焦点光学顕微鏡を用いて、細胞内酸素濃度のダイナミクスを明らかにすることを目的とする。本装置を用いることで、一細胞内の酸素濃度のダイナミックスを測定することが可能であり、これまでに、未開拓であった細胞内酸素濃度イメージングによる様々な細胞機能・生命現象の追跡が可能となる。本申請研究で、細胞内の酸素濃度のダイナミクスの解明を目指す。 低酸素環境下の癌細胞は抗がん剤あるいは放射線治療に対して難治療性を示すと言われている。癌組織あるいはMulticellular spheroidなどは内部に低酸素領域(Hypoxia)が存在する。既存のHypoxia markerでは、経時的な酸素濃度変化は測定できない。申請者らの開発した酸素イメージング顕微鏡は、外部刺激に応答した酸素濃度の動的測定が可能である。さらに、酸素濃度の0-20%の間で、酸素濃度が定量化できるため、酸素正常状態(Normoxia)からHypoxia、さらにはAnoxiaの領域を連続的に可視化可能である。このようなイメージングと、抗がん剤に対する難治療性の相関が得られれば、低酸素環境下の難治療性に関する研究が飛躍的に進むといえる。H29年度は細胞内の低酸素応答に関して、生化学的な反応と、細胞内酸素濃度の応答に関して検討を行った。具体的には環境中の酸素濃度を変化させ、細胞内のタンパク質の発現解析をWestern Blottingを用いて行い、同時に、酸素消費を顕微鏡下でイメージングにより解析した。その結果、タンパク質の発現応答と、酸素消費に関する知見が得られた。H30年度はさらに、詳細な解析を実施予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
Western Blottingの解析から、タンパク質の発現解析をおこない、同時に酸素濃度イメージングを行うことにより、これまでに報告されてきた低酸素応答タンパク質の発現が必ずしも、細胞全体の低酸素応答に直結しているわけではないという、本研究でのみ得られる情報が明らかになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度も、Western Blottingの解析によるタンパク質の発現解析と、同時に酸素濃度イメージングを行うことにより、低酸素応答タンパク質の発現と細胞全体の低酸素応答に関する研究を進めることにより、細胞の低酸素応答の分子メカニズムの解析を行う。これにより、低酸素領域でのがん細胞の 難治療性の研究に関して、新たな知見を解明する予定である。
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Research Products
(8 results)