2019 Fiscal Year Annual Research Report
完全偏極を指向した超偏極希ガスMRIによる革新的肺機能診断システムの開発と応用
Project/Area Number |
15H03006
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
木村 敦臣 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (70303972)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 完全偏極キセノン / MRI肺機能診断システム / 肺癌 / 前臨床評価 / ピルビン酸エチル |
Outline of Annual Research Achievements |
当課題において開発した連続フロー型準完全偏極キセノン製造装置を用いて独自の超偏極129Xe (HPXe) MRI肺機能診断法を開発し、肺癌マウスモデルの肺機能変化をモニターする評価系を構築することに成功した。一方、肺癌の発症・進行には傷害関連分子パターン分子の1つであるHMGB1 (High Mobility Group Box 1) が関与していると報告されている。他方、ピルビン酸エチル(EP) は、HMGB1の分泌を阻害することが分かっている。以上のことから、マウスに発癌誘発剤であるウレタンを投与した1か月後からEPを投与し、EPの肺癌モデルマウスに対する治療効果の評価を行った。その結果、治療効果は確認できたものの、その効果は完全なものではなかった。 そこで本年度は、肺癌マウスモデルにEPを予防的に投与することで、更なる治療効果が得られると推測し、HPXe MRIによる肺機能診断を用いて観察を行った。実験では、ウレタンを腹腔内投与し、投与直後からEPを4ヶ月に渡って気管内投与し(5日/週)、EP予防群とした。ウレタン投与直前を含め1ヶ月ごとにHPXe MR肺機能診断を行い、ガス交換能(fD(%))を評価した。その結果、EP予防群のfDはウレタン投与後1ヶ月時に健常群と比較して有意に低下したものの、2ヶ月時には1ヶ月時と比較して有意な高値を示し、この回復は以降4か月時点まで継続した。一方、肺癌群では、1か月時点でfDは健常群と比較して有意に低下し、この低下は観察期間中継続した。また、解剖の結果、EP予防群の腫瘍数は、病態群と比較し有意に減少し(3個 vs 11個)、最大腫瘍径は有意に縮小した(2.2mm vs 3.4mm)。以上のことから、EPは肺癌の予防的治療に有効であることを明らかとした。
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Adipose Tissue-Derived Stem Cells Have the Ability to Differentiate into Alveolar Epithelial Cells and Ameliorate Lung Injury Caused by Elastase-Induced Emphysema in Mice.2019
Author(s)
Fukui E, Funaki S, Kimura K, Momozane T, Kimura A, Chijimatsu R, Kanzaki R, Kanou T, Ose N, Minami M, Miyagawa S, Sawa Y, Okumura M, Shintani Y.
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Journal Title
Stem Cells Int.
Volume: 2019
Pages: 5179172
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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