2016 Fiscal Year Annual Research Report
刺激に応答して光る腸管神経の再生・新生機構の解明と制御の新たなる展開
Project/Area Number |
15H03057
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (00033358)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
中井 淳一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (80237198)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | リハビリテーション医学 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
埼玉大学との共同研究で神経活動に応じて神経が光るトランスジェニックマウス(Thy1-G6-mCherry TG マウス)を使用して、in vivoイメージングにより生理学的に評価するシステムを確立する研究については、埼玉大学の研究室ですでにin vivoイメージングにより腸壁内神経系を3次元で見事にとらえているのみならず、本研究費で購入した腸管の吸引装置を使用して腸の動きを抑制することにより、細胞内カルシウム濃度の変化をin vivoイメージングで成功した。今後は刺激に応答して神経が光る条件を探る。 また、並行する研究として、排便・排尿機能障害や末梢神経障害などリハビリ医学でターゲットとされるこれらの障害の薬物による治療を展開するために、5-HT4受容体刺激薬クエン酸モサプリド(MOS)の飲水投与が糖尿病モデルマウスにおける末梢神経障害を防ぐかどうかを調べた。 II型糖尿病モデルマウスとしてTSODマウス(対照としてTSNOマウス)を用いてMOS飲水投与を20ヶ月間行った。MOS非投与群では、実験開始後12ヶ月ごろからマウスは死亡し始め、20ヶ月で生き残ったのは50%であった。一方、MOS投与群では20ヶ月後にも100%生き残った。また、対照のTSNOマウスでは、MOS投与群、非投与群に関わらず、生き残ったマウスは90%であった。 糖尿病による末梢神経障害については坐骨神経横断面の組織をFLB染色後、TSODマウスのMOS投与群、非投与群とTSNOマウスのMOS投与群、非投与群の4群で比較検討したが、明らかな差異は検出できなかった。 このMOSの延命作用メカニズムは現段階では不明であるが、MOSによる延命効果は明らかであった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Thy1ーG6ーmCherry トランスジェニックマウスでin vivoでのカルシウムイメージングに新しい実験装置で成功したので、この点は今年度の成果である。また、並行する研究については、一定程度の結果がすでに得られているが、まだ、腸管切離吻合モデル等の作成、クエン酸モサプリドの飲水投与による腸壁内神経系再生・新生促進作用をin vivoでのカルシウムイメージングで確認することができていない。
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Strategy for Future Research Activity |
光遺伝学を応用するため腸壁内神経にチャネルロドプシンやアーキオロドプシンを発現するThy1ーG6ーmCheyy TG マウスを交配で作成する予定であったが、時間がかかるので、遺伝子導入に方法を変えて試してみる予定である。 このマウスが用意できれば、すでにin vivoでのカルシウムイメージングに新しい実験装置で成功したので一気呵成に研究は進むと期待される。
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Research Products
(7 results)