2018 Fiscal Year Annual Research Report
長期追跡調査による幼少年期のライフスタイルと健康・体力の変容に関する縦断的研究
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15H03063
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| Research Institution | Yamagata University |
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Principal Investigator |
鈴木 和弘 山形大学, 地域教育文化学部, 教授 (20327183)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 貴博 名古屋学院大学, スポーツ健康学部, 准教授 (50422209)
小澤 治夫 静岡産業大学, 経営学部, 教授 (60360963)
鈴木 宏哉 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 先任准教授 (60412376)
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| Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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| Keywords | 幼少年期の発達と体力 / 幼児の追跡調査 / 介入実験的体育授業 / 投運動の運動遊び |
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| Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的および方法；本研究のおもな目的は幼少年期の子どもを対象に長期追跡調査を継続に実施するとともに, 幼小年期の体力発達を促すプログラムを適用し，保育活動や学校体育における介入授業を通してその効果を明らかにすることであった．以下本年度は次の２点を中心に研究を行った.
1)幼児及び小中学生を対象に過去3年間に蓄積してきたデータをまとめ，幼児の就学後の体力がどのように変容してきたかを検証した．ここでは卒園した幼児の入学後の体力に着目し，これまで蓄積してきたデータを統合して多様な運動遊びを導入した群(参加群)と日常の保育活動を行ってきた群(不参加群)の就学後の体 力を比較し，幼児期の運動遊びへの介入効果を明らかにした.
2) 小中学生の投能力や走力，瞬発力等の体力を向上させる新たなプログラムを開発し，学校体育での介入授業を行った．ここでは小学生低学年児童を対象とした投運動向上のためのプログラムを体育の授業に適用し，その効果を検証した．
研究成果；1）について見ると，幼児期に多様な運動遊びに参加群の小1男子（177名）の体力合計点は33.5，不参加群（142名）のそれは31.0であった. 小1女子の参加群（162名）の合計点は34.4，不参加群（151名）のそれは32.1であり，男女ともに参加群の児童が有意に体力が高いことが示された（p<.01) .
2）では，2年間にわたり、各10時間（45分授業）配当し，小2男女計58名を対象に「投運動の運動遊び」授業を展開した．その結果，男女すべてにおいて投動作の技能およびソフトボール投げ記録の有意な向上が認められた（p<.01).なお，2年分（各10時間の授業）のボール投げ記録の平均値は男子；授業前10.9m⇒授業後15.0m，女子；授業前7.3m，授業後10.6mであった．
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由
本研究は5年目を迎えるが，研究遂行に欠かせないフィールドが整い，且つ十分に確保されている.また、本研究の趣旨を理解し，参加してくれる学校も増えつつある，したがって、研究に必要なデータ収集が可能であるとともに標本数も確保できている.
教育実験的な視点からの介入指導，体育の授業，開発した多様な運動プログラムなどを適用できる保育施設や小中学校の協力も引き続き得ている. また，本研究の成果の一部を実践報告書としてまとめ，関係者に配布している．これらの資料は幼少年期の子どもの身体活動を中核とした幼児教育や学校教育への活 用を意図して作成したものである．さらに補助資料としてリズムダンス運動等をDVDに収録し，保育施設や小中学校の教職員に配布した．関係する自治体の理解もあり，これまでの活動が山形県長井市のHPでも紹介されている．また，幼児を対象に行ってきた取り組み（ながいアクティブキッズプロジェクト；ながいAKP)が評価され、3月に文部科学大臣表彰を受けた．これについては山形大学で会見を行い，地元紙でも紹介された（3月21日付け山形新聞）．
一方、これまで蓄積してきた多種類且つ多様且つ膨大なデータ(測定・調査などの数値デー タ，テキストデータ，開発した運動プログラム映像，写真など)を時系列に沿ってまとめ，分析していく必要がある.
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究推進の方策は以下の通りである．
1）昨年度までの取組を踏まえ，過去4年間にわたり蓄積してきた多種類且つ多様なデータの整理と分析を速やかに進め，研究成果として論文にまとめる．さらに，教育現場で活用可能な資料とし て提供できるようにする．本年度も引き続き関連するデータを縦断的に収集し，幼少年期の子どもの変容を追跡する．
2)1年間の活動は従来進めてきたスタイルを踏襲し，活動報告書として冊子にまとめ、保育施設や小中学校にフィードバックする．
3)幼少年期のライフスタイルと運動遊びを含む運動習慣の重要性に鑑み，保護者に協力を依頼し，親子による身体活動量調査を実施する．
4)一昨年度後半より，小中学校の体育授業を視野に入れた新たな教材開発を行い，既に試行的に授業を行った．この内容をさらに進め教育実験的介入指導を行う．これは、投・捕能力、敏捷性や筋力、認知・判断能力の向上を視野に入れたゴール型の運動教材である．
本研究が最終年度であることを踏まえ，研究協力者(主として保育士、小中学校教諭)との連携を深めながら、その専門性を活かした研究を行う．また、研究と 実践の乖離が生じないようにデータの収集や多様な運動プログラムの開発を進める．
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