2015 Fiscal Year Annual Research Report
先制医療を実現するためのストレス性代謝変容を基軸とした抑うつバイオマーカー検索
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15H03086
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Research Institution | Fujita Health University |
Principal Investigator |
齋藤 邦明 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 教授 (80262765)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (00331869)
石川 浩章 藤田保健衛生大学, 保健学研究科, 准教授 (50321013)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 抑うつ / メタボローム / トリプトファン代謝産物 |
Outline of Annual Research Achievements |
抑うつなどの心身の異常の発症には、遺伝的要因や環境要因など様々な病因が関係している。本研究は、抑うつ、ストレスならびに食習慣に関する調査データが付随した暦年的(経時的)に採取・保存された人間ドック、疾患バイオリソース(BR)を用いて、ビッグデータ解析を可能とするデータベースを作成し、効率的に選択したBRを用いてストレス、抑うつなどに伴い変動する疾患特異的代謝機能の変動をオミックス解析により明らかにする。すなわち、暦年的な変化を検索することで明らかとなった疾患特異的分子を基軸として、先制医療の実現を目指す新たなバイオマーカーを創出する事を目的としている。 本年度は、初年度の検討として効率的なサンプルの抽出を可能とするデータベース構築を行った。データベースにより疾患群とその群に対応した健常人群を効率良く抽出できるシステムが構築された。抽出されたサンプルを用いて、トリプトファン代謝産物およびサイトカインの測定などのメタボローム解析を行い、疾患特異的マーカー分子検索のための基礎的プラットホームの作成を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画に基づきおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度の検討により構築されたデータベースから抽出されたサンプル群を用いてオミックス解析を行い健常人および抑うつ症例の代謝能プロファイルを作成し、疾患マーカーの検索と有用性の検討を引き続き行う。 1) 健診受診者 (3000名)の大規模データベースを用いた効率的バイオリソース選別および測定データのデータベースへの反映 a)大規模データベースの構築 本検討では、抑うつ(CESD)、ストレス(GHQ28)、食習慣調査(BDHQ)などの設問紙によるデータおよび健診データを統合させ、大量のデータを格納し検索できる大規模データベースを前年度の検討により構築した。 本年度も引き続き、昨年度健診受診者のデータを入力し、データベースの拡充をはかる。 b)疾患特異的マーカー有用性検証のためのデータ抽出 データベースに昨年度測定を行ったオミックス解析の測定データの取り込みを行い、 スーパー健常人とうつ症例プロファイルの比較検討を行う。解析により新たな疾患特異的マーカー分子の候補分子の抽出を行う。疾患特異的なマーカー分子の抽出後は、検証群となる新たなデータセッ トの抽出を行い、疾患特異的マーカー分子の有効性の検討を行う。 2)血清アミノ酸、トリプトファン関連代謝産物、サイトカインを中心としたオミックス(メタボローム・プロテオーム)解析 前年度の検討に引き続き、データベース構築により抽出された症例を用いて、抑うつ診断薬の候補分子であるモノアミン系、トリプトファン代謝系分子、サイトカイン等の血中プロファイリングで同定された分子などを対象として、未知の分子の検索を行う。それぞれの測定結果をデータベースに反映することで、スーパー健常人代謝能プロファイルおよび抑うつ症例代謝プロファイルの作成を行う。スーパー健常人とうつ症例プロファイルを比較検討することで、新たな疾患特異的マーカー分子の候補分子の抽出を行う。
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[Journal Article] Prognostic value of the combination of serum l-kynurenine level and indoleamine 2,3-dioxygenase mRNA expression in acute myeloid leukemia.2016
Author(s)
Hara T, Matsumoto T, Shibata Y, Nakamura N, Nakamura H, Ninomiya S, Kitagawa J, Nannya Y, Shimizu M, Ito H, Saito K, Tsurumi H.
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Journal Title
Leuk Lymphoma.
Volume: 13
Pages: 1-4
Peer Reviewed
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