2015 Fiscal Year Annual Research Report
中学生の食行動異常の実態と関連要因に関する大規模地域調査ー5年前と比較して
Project/Area Number |
15H03088
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
小牧 元 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 教授 (70225564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 基成 女子美術大学, 芸術学部, 教授 (40259263)
東條 光彦 岡山大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (70241982)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 摂食障害 / 食行動 / 睡眠 / 性的被害 / インターネット / ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
【調査の概要】首都近郊都市S市の全中学校(37校)から地域に偏りのない計10中学校 (地域全中学生徒数の31.2%)の女子中学生全員を対象にアンケート調査を実施し、2376名(回収率98.6%)の回答を得た。今回は2010年に同様に実施した同市の同一中学校、同学年女子中学生全員に対するアンケート調査2069名(回収率78.5%)における身長・体重ならびに摂食障害診断質問紙(EDE-Q6.0日本語版)結果との変動を検討した。なお、中国地方都市K市も実施し、さらに両市の男子生徒の調査も実施済みであるが、解析は進行中である。したがって、今回はS市女子中学生のみの解析結果の概要を下記に示した。 【結果の一部の概要】2010年と2015年を比較すると体格指数には変動はなかった。EDE-Q6.0の4因子(食事制限R、食事へのこだわりEC、体形へのこだわりSC、体重へのこだわりWC)で平均4点以上(臨床的問題あり)の割合は、R(1.4% vs 2.6%, p=0.000%)、EC(0.3% vs 1.1%, p=0.001)、SC(8.8% vs 12.5%, p=0.000) WC(6.5% vs 8.9%, p=0.002)と、それぞれ全て有意に増加し、また制御不能のむちゃ食い(週1回以上)も有意に増加していた (8.6% vs 10.5%, p=0.033)。ただし不適切な代償行為(月2回以上)である嘔吐や下剤乱用に差はなかったが(1.5% vs 1.4%, p=0.590; 0.9% vs 0.9%, p=0.831)、8時間以上の絶食(1~5日/月以上)は有意に増加(10.2% vs 12.9%, p=0.004)していた。 【本年度の結論】この5年間で、S市における女子中学生の食行動異常は増加していると言える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
S市のアンケート回収率が当初予定していた70%をはるかに超え、98%であった。
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Strategy for Future Research Activity |
S都市女子中学生の変動の統計的解析は終了したが、今年度はK都市女子中学生の解析も進め、都市間での比較検討、さらには両都市の男子中学生におけるデータの解析をH27年度と同様に進める。また5年前の結果との比較検討を行い、時代変化の影響の検討をさらに行う予定である。 また、H28年度、H29年度は、H27年度のアンケート調査に参加した中学生全員に対し、その1年後、2年後のそれぞれ調査に同意した生徒にコホート調査をすすめる予定である。
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Research Products
(2 results)