2018 Fiscal Year Annual Research Report
Study on the formation of multi-national communal colaborations in the peripheral region of Northeast Asia: the cases of Sino-Russian and Sino Mongolian border regions
Project/Area Number |
15H03128
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡 洋樹 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00223991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 誠 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (30647938)
堀江 典生 富山大学, 研究推進機構 極東地域研究センター, 教授 (50302245)
藤原 克美 大阪大学, 言語文化研究科(言語社会専攻、日本語・日本文化専攻), 教授 (50304069)
SAVELIEV IGOR 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (60313491)
広川 佐保 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (90422617)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 移動 / 共生 / ロシア / モンゴル / 中国 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、18ー21世紀初頭の東北アジア大陸部における人の移動と移動先現地社会での共生様態解明を目的に、中蒙辺境班と中露国境地域班の二班が、歴史学・経済学立場から研究を行った。 広大であるにも拘わらず人口が希薄で生産力の低いこの地域では、現地社会の側に外部からの物資供給の需要が存在する一方、露清統治下での開発への労働力需要の慢性的存在が、中国内地や朝鮮半島、あるいはヨーロッパからの移民を促進した。近代には、植民地本国からの越境的な人と物資・資本移動が見られ、地域本来の多民族性に国際的な多文化性を付与した。研究代表者岡洋樹は、清朝治下18世紀のモンゴル地域で、清朝の抑制策にも拘わらず、都市や周辺の定着農村を受け皿として、漢人・モンゴル人の出稼ぎ・巡礼目的の移動を支える条件が形成されたことを論じた。一方サヴェリエフ・イゴリは19ー20世紀初頭の帝政政府が、極東開発への労働力導入策としての移民政策を解明した。また橘誠は20世紀初頭のモンゴル独立政権の関税政策とロシア人・漢人商人の対応の様態を論じた。藤原克美は、1930年代の満洲国哈爾浜にあった商会・百貨店経営の多国籍的性格を明らかにした。続く社会主義期について広川佐保は、1983年のモンゴル在住の漢人労働者の強制送還事件を論じて政治的対立が共生に与えた影響を解明した。堀江典生は、冷戦終結後市場経済下のロシアに入った漢人労働移民に対するロシア側の反応を、ディアスポラ論の批判的検討を通じて解明した。 以上の研究から、東北アジアにおける人の移動は、18世紀以来、時々の国家政策に左右されながらも、ほぼ不断の流れとしてあり、中蘇対立や冷戦による制約にも拘わらず、辺境の労働力・物資需要を基礎条件とする人の移動は現在もなお進行形の問題であることが通時代的に把握された。
|
Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(21 results)