2015 Fiscal Year Annual Research Report
日本酒文化を核とした地域・観光振興に関する総合研究―6次産業化戦略をめぐって―
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15H03148
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
竹安 栄子 京都女子大学, 現代社会学部, 教授 (70131414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 守正 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 部次長 (20470247)
吉田 和利 兵庫県立工業技術センター, その他部局等, 主任研究員 (40470249)
春日 雅司 神戸学院大学, 人文学部, 教授 (90152660)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日本酒文化 / ツーリズム / 地域振興 / 山田錦 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度の主な研究は、1.全国酒造メーカーを対象としたツーリズムへの取り組みの現況と今後の取り組みに向けての意向調査、2.ツーリズムの先進事例である英国スコットランドのウィスキー醸造所への実地調査、3.市民を対象としたツーリズムに関する調査票調査の3つからなる。 1.全国酒造メーカー調査では、①調査票の郵送と回収、②データ化、③調査結果の分析および公表を行った。①47都道府県の公立研究機関の協力を得て、H27年度に日本酒を生産する酒蔵を確定。全国47都道府県1336社に対して調査票を郵送、486社から回答を得た(回収率36.4%)。②調査結果をSPSSに入力。③単純集計結果をアウトプットするところまで行ったが、結果の分析およびそれに基づくく論文作成まで至っていないので、HP上での公表は調査の概要にとどまっている。本調査は、全国酒造メーカーへの調査としては、初の全数調査でありその学問的・社会的意義は大きい。1月以降も調査協力への依頼を行ったにも関わらず回収率が伸びなかった背景には、酒造メーカーがツーリズムに取り組む意思を持たないことの反映であるとも理解できる。H28年度は酒造メーカーへの聞き取りによる事例調査を実施して、回答者の中でも特に積極的にツーリズムに取り組もうとしているメーカーにその実態を明らかにしたい。 2.スコットランド・ウィスキー醸造所調査は、スコットランド本島の14の醸造所とその周辺の観光関連施設に対して実地調査を実施した。その成果については、すでに「スコットランドにおけるツーリズムの現状―ウィスキー醸造所を中心に―」として公表した。 3.市民対象の調査は、播磨広域連絡協議会・姫路市・神姫バスツアーズの協力を得て、神姫バスツアーズが実施している「播磨酒蔵めぐり」の参加者を対象としたアンケート調査を実施した。これはH28年度も継続して実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H27年度交付申請書に記載した研究計画のほとんどを実施することができた。ただ予算の都合で、長野県小布施市枡一市村酒造への実地調査は実施できなかった。また酒造メーカー対象の調査結果の分析を公表するには至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
交付金額の大幅減額に伴い、当初計画を変更して、今年度は以下の研究を実施する。 1.山田錦生産者の調査票調査:兵庫県山田錦生産者約5,500人を対象に、JAの協力を得て調査票調査を実施する。①準備状況:研究分担者(春日)はこれまでの研究においてJAみのりとの協力関係がある。吉田は酒造業者研究代表者との緊密な共同研究を実施していて研究実施の準備は整っている。②調査目的:高齢化が進む生産者の実態と山田錦生産意欲、生産効率化や温暖化への対応状況、JA・酒造業者との関係の現状の解明。 2.昨年度実施した酒造業者を対象とした調査票調査の補充調査の実施:回収率が30%強と少なかったため、①回収率が低い理由を探るため未回答の蔵でのインタビュー調査、②回答者の中から、ツーリズムに対して意欲的で、かつすでに何らかの試みに取り組んでいる酒造業者を対象としたインタビュー調査。 3.昨年度から実施している「播磨酒蔵めぐりツアー」参加者を対象とするアンケート調査の継続実施。 4.酒造り体験参加者など酒造メーカーが実施するイベント参加者を対象に、過去の観光経験の実態把握と滞在型ツーリズム利用意向、農村型および酒蔵型ツーリズムへの関心度の測定を目的とした調査票調査を実施する。 5.生産者・生産組織、JA、酒造関係者への聞き取り調査:日本酒をめぐる6次産業化のための3者間の連携関係モデル構築のため、それぞれのレベルでの問題点を明らかにして課題を整理する目的で、8地点で関係者に聞き取り調査を実施する予定であった。しかし研究費を圧縮するために、兵庫県内と県外の調査地点各1地点に絞る。
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Research Products
(1 results)