2016 Fiscal Year Annual Research Report
日伊の交流を通した蝋型ブロンズ彫刻の新しい表現の研究
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15H03173
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
中村 義孝 筑波大学, 芸術系, 教授 (10198252)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 佐代子 筑波大学, 芸術系, 准教授 (10326415)
武末 裕子 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (10636145)
松尾 大介 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 准教授 (50377230)
宮崎 甲 千葉大学, 教育学部, 教授 (60272291)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 蝋型鋳造法 / ブロンズ彫刻 / 彫刻表現 / イタリア現代彫刻 |
Outline of Annual Research Achievements |
蝋型石膏鋳型鋳造法の特質を活かした新しいブロンズ表現の可能性について、研究分担者各自のテーマに基づいて実制作をもって実証していった。中村義孝は、「蝋を直接造形する方法による表現の可能性」を課題とし、発砲スチロールを心材とした蝋直造り法で具象的表現を追求した。主な研究成果としての作品(微睡)は第62回一陽展(国立新美術館/東京/2016年10月)に発表した。宮崎甲は、バルサ材と蝋を混合して制作する実験制作を引き続き行った。松尾大介はイタリア式蝋型鋳造法固有の工程を経ることで得られる異素材結合方法の実証的考察を重ねた。今年度の試みとして「鋳繰リ」の手法を取り入れた異素材結合の表現の可能性を探った。主な研究成果としての作品(太古の加速器)は第39回国画会彫刻部秋季展(東京都美術館/東京/2016年10月)に発表した。武末裕子はテーマに基づき様々な素材から形を写し取った蝋で作る直造り法で半具象的表現を追求した。主な研究成果としての作品(灯Ⅱ)は第90回国展(国立新美術館/東京/2016年4月)に発表した。また、中村、松尾、宮崎は、マフ鋳造所(ミラノ)、バッタリア鋳造所(ミラノ)、ファブリス鋳造所(ベローナ)、ジュディチェ鋳造所(グレイヴェ・イン・キアンティ)、FAR鋳造所(ローマ)、マリネッリ鋳造所(フィレンツェ)等において調査、及び技法についての意見交換を行った。更に、蝋型鋳造の特質を活かした表現を行った現代の彫刻家、クロチェッティ、マリーニ、マンズー、ロッソに関する現地調査が分担者によって行われた。2016年11月20日に研究例会を筑波大学芸術系棟で開催し、中村、宮崎、松尾、武末が研究経過報告の発表を行い、彫刻家サラ・デル・ジュディチェ氏が「自作の蝋型ブロンズ表現と技法について」講演を行った。田中佐代子は蝋型鋳造工程をわかりやすい図にビジュアル化する研究を引き続き行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
イタリア式蝋型鋳造彫刻の特質を活かした表現については、分担者が各自のテーマに基づき、それぞれの制作法を昨年度より更に深化させ成果を上げつつある。中村は発泡スチロールを心材としてその上に蝋板を張り付ける蝋直造り法で具象表現を追求した。宮崎はバルサ材と蝋を混合して制作する実験制作を引き続き行った。松尾は今年度の試みとして「鋳繰リ」の手法を取り入れた異素材結合の表現の可能性を探った。武末は様々な素材から形を写し取った蝋で作る直造り法で半具象的表現を追求した。また、イタリア式蝋型鋳造の基本的な技法の解明についてもイタリアの伝統的な鋳造工房6ヶ所で継続的に調査が進んでいる。4人のイタリア現代彫刻家の蝋型鋳造技法を活かした独自の彫刻表現についての考察も各分担者によって進められており研究例会で発表されている。ブロンズ彫刻家やイタリアの鋳造所や鋳造家との交流も広がり、研究会でのイタリア人彫刻家の招待発表なども行い研究のネットワークは広がりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
蝋型石膏鋳型鋳造法の特質を活かした新しいブロンズ彫刻表現の可能性については、研究分担者が、平成28年度に引き続き、それぞれの課題に基づき更に進化させていく。また、イタリア式蝋型鋳造法の基本的な技法を明らかにするため、イタリア国内で伝統的な技法を駆使し鋳造を行っている鋳造所の調査も引き続き行う。平成28年度はマフ鋳造所との交流も始まり、現在、6ヶ所の鋳造所の調査が進められており平成29年度も継続する。更にイタリア現代彫刻家の中から蝋型ブロンズ表現に独自の境地を開いた彫刻家を絞り込んで研究対象とし、蝋型鋳造技法と彫刻表現について考察することについては、各分担者が今後継続して行う。中村がクロチェッティ、松尾がマリーニ、武末がマンズー、宮崎がロッソを担当する。平成28年度研究例会に招待した、彫刻家サラ・デル・ジュディチェ氏の経営するジュディチェ鋳造所においてイタリアの彫刻家と分担者の研究交流会を予定しており、研究のネットワークの更なる拡充を目指す。
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] 太古の加速器2016
Author(s)
松尾大介
Organizer
第39回国画会彫刻部秋季展
Place of Presentation
東京都美術館 (東京都)
Year and Date
2016-11-08 – 2016-11-15
Invited
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[Presentation] 微睡2016
Author(s)
中村 義孝
Organizer
第62回一陽会
Place of Presentation
国立新美術館 (東京都)
Year and Date
2016-09-28 – 2016-10-10
Invited
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[Presentation] なつ2016
Author(s)
中村 義孝
Organizer
第62回一陽会
Place of Presentation
国立新美術館 (東京都)
Year and Date
2016-09-28 – 2016-10-10
Invited
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[Presentation] 灯Ⅱ2016
Author(s)
武末裕子
Organizer
第90回国画展
Place of Presentation
国立新美術館 (東京都)
Year and Date
2016-04-27 – 2016-05-09
Invited