2018 Fiscal Year Annual Research Report

Comprehensive Research of Komparu Family Historical Documents for Database Construction of Nohgaku Materials

Research Project

Project/Area Number	15H03182
Research Institution	Hosei University
Principal Investigator	宮本圭造法政大学, 能楽研究所, 教授 (70360253)
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha)	伊海孝充法政大学, 文学部, 教授 (30409354) 高橋悠介慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 准教授 (40551502) 石井倫子日本女子大学, 文学部, 教授 (50328887) 山中玲子法政大学, 能楽研究所, 教授 (60240058)
Project Period (FY)	2015-04-01 – 2019-03-31
Keywords	日本文学 / 能楽 / 謡本 / 伝書 / 資料学 / 金春家 / 日本史
Outline of Annual Research Achievements	本年度は研究期間の最終年度にあたり、金春宗家文書の資料撮影を完了することを最優先に研究を進めた。金春宗家の御協力のもと、十一月に集中的な調査を行い、撮影未了であった起請文・狂言関係資料・その他雑資料の整理と撮影を全て完了した。これによって、従来から研究を進めていた法政大学能楽研究所蔵の金春家旧伝文書約二〇〇〇点に加え、金春宗家に所蔵される文書群を含め、金春家伝来文書の総体がはじめて明らかになったことになる。これまでの調査を通じて、金春宗家文書は、謡本一六五点、伝書九一点、付四二五点、史料九四五点、狂言三八点、以上一六六四点に上ることが分かった。これら全てについてデジタル撮影を行い、簡易目録を作成したが、これは、近い将来、デジタルアーカイブとして画像を解題付きで公開する際の基礎資料となるものである。資料目録は完成までになお時間を要するが、仮目録はすでに作成済みである。以上の新資料によって、近世以降、特に近代の金春家の歴史について、多くの新発見があった。金春家文書の宝山寺への移管が、従来は明治三十年代のことと考えられていたが、明治五、六年頃までさかのぼる可能性があること、能楽研究所蔵の金春八左衛門本能楽伝書は、明治期に八左衛門家から金春宗家に渡った可能性があること、などがそれである。また、その他の関連資料として、会津若松の笛方長命家の文書、仙台藩伊達家をはじめとする近世諸藩の金春流能役者の系譜資料、金春家関係の能面の調査などを行い、金春家及び金春流の歴史に関する新資料を少なからず集めることが出来た。これらの研究成果の一端は論考「面打井関備中守追考」「面打角坊考」、資料集『近世諸藩能役者由緒書集成(上)』、「伊達家旧蔵能楽資料デジタルアーカイブ」などで公開した。なお、「金春家文書の再検討」と題する学会発表を二〇一九年五月に行う予定である(芸能史研究会五月例会)。
Research Progress Status	平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
Strategy for Future Research Activity	平成30年度が最終年度であるため、記入しない。