2016 Fiscal Year Annual Research Report
Geographical study on the development of inbound tourism in Japan
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15H03274
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
呉羽 正昭 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50263918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
フンク カロリン 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (70271400)
菊地 俊夫 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (50169827)
有馬 貴之 帝京大学, 経済学部, 講師 (00610966)
松井 圭介 筑波大学, 生命環境系, 教授 (60302353)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 教授 (40350300)
JONES THOMAS 明治大学, ガバナンス研究科, 特任准教授 (50611745)
小島 大輔 長崎国際大学, 人間社会学部, 講師 (80551770)
安 哉宣 静岡英和学院大学短期大学部, 現代コミュニケーション学科, 講師 (80712314)
市川 康夫 筑波大学, 生命環境系, 特任助教 (60728244)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | インバウンド・ツーリズム / インバウンド・クラスター / フィールドワーク / イノベーション / レジリエンス / 観光行動 / 地域的構造 / 観光文化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本におけるインバウンド・ツーリズムをめぐる目的地(インバウンド・クラスター)の動態をフィールドワークを通じて実証的に明らかにするとともに、外国人観光者への調査を通じて彼らの行動特性を解明する。とくに、目的地がインバウンド・ツーリズムに対応するための「イノベーション」、および観光地域として持続的発展を目指すために必要な「レジリエンス」に注目して分析する。これらの実証的な研究を通じて、さらには内外の観光地理学に関する研究動向の検討という理論的な研究を通じて、日本におけるインバウンド・ツーリズムの地域的構造を明らかにするものである。 H28年度の研究実績は次の通りである。1.H28年6月に東京で打合せを行い、調査および分析の内容、研究の進め方について検討した。2.日本におけるインバウンド・ツーリズムの時間的・空間的な発展傾向について、観光庁や日本政府観光局などのデータ、スマートフォンを用いたGPSデータに基づいて分析を進めた(小島・有馬、杜)。3.代表者および分担者全員が、個々のインバウンド・クラスター、すなわち野沢温泉村(呉羽ほか)、屋久島(フンク)、東京(菊地)、長崎(松井)、中山道宿場町(市川)などにおけるフィールドワークを実施した。そのうちのいくつかについては、フィールドワークの成果を研究発表し、さらには雑誌論文として掲載した。4.特定の観光行動に注目して、インバウンド・ツーリズムの地域的特性を解明するため、自然ツーリズム(ジョーンズ)、ジオツーリズム(有馬)、クルーズ(フンク)などについてフィールドワークや資料収集を行い、分析を進めた。その一部の成果は研究発表や雑誌論文公開がなされた。5.特定出発国の観光者の行動特性については、大阪における韓国人向け宿泊施設の分析(安)、中国人訪日旅行者の分析(杜)などを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者・分担者による研究は、それぞれの研究基盤をいかして順調に進行している。H28年6月に打合せを実施し、また電子メールを通じて研究成果の共有が図られている。個々の分析については、既に多くの研究発表が日本地理学会や観光研究学会などの諸学会でなされており、その一部は既に雑誌論文として公表されている。H29年の日本地理学会秋季学術大会においてシンポジウムを開催することが確認され、それに向けて順調に研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.個々の分析、すなわちインバウンド・クラスターの分析、特定の観光行動の分析、特定出発国の観光者行動の分析を進め、論文等にまとめることが必要である。そのうち、インバウンド・クラスターについては、その目的地がインバウンド・ツーリズムに対応するための「イノベーション」、および観光地域として持続的発展を目指すために必要な「レジリエンス」に注目する視点を重視して分析を深めていく。2.日本におけるインバウンド・ツーリズムの時間的・空間的な発展傾向の解明を進める。1と2については分析がまとまり次第、研究発表や雑誌論文として公表する。3.上記1および2の実証的な研究とあわせて、特定の出発国・地域がもつ観光行動の特徴についての検討を行い、日本におけるインバウンド・ツーリズムの地域的構造を明らかにする。H29年6月末に打合せを開催し、3について議論・検討をする。それをうけて、H29年の日本地理学会秋季学術大会においてシンポジウムを開催して成果を公表するとともに、広く地理学者の意見やコメントを得る。4.これらの結果を日本地理学会英文叢書のかたちで公刊することを目指して作業を進める。
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Research Products
(16 results)