2017 Fiscal Year Annual Research Report
Interdisciplinary studies on the influence of the mental disorder to sentencing-decision
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15H03296
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安田 拓人 京都大学, 法学研究科, 教授 (10293333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 幸之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (40282769)
安藤 久美子 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40510384)
酒巻 匡 京都大学, 法学研究科, 教授 (50143350)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 精神の障害 / 量刑 / 責任能力 / 司法精神医学 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、本研究の最終年度にあたるため、具体的な成果の取りまとめを意識した研究を遂行した。その過程では、今年度も、4回にわたり、研究会方式による共同研究を遂行し、それぞれの成果に関する充実した意見交換を行った。 精神医学の側からは、岡田教授の精神鑑定に関する「8ステップ」論が、量刑論にも応用可能なものとして発展的な内容に練り上げられ、複数の論文において成果として公表されるに至った。これにより、精神鑑定で報告すべき内容は、法律家が責任能力として何を捉えているかにより決まるのであり、何より解決されるべきことは、法律家が責任能力の具体的内容を詰めて考えることだということが明らかとなった。責任能力については、今なお、精神科医の判断に委ねられるとの理解も根強い中、この主張のインパクトは大きく、本共同研究によりもたらされた大きな成果の1つと言ってよい。 続いて、本年度は、本研究にとっては幸いなことに、完全責任能力を認めながらも、精神の障害が量刑に及ぼす影響について判示する重要な下級審裁判例が少なからず登場したため、これの分析を大きな軸として、研究を推進することができた。 研究代表者においても、これらの成果を論文等にまとめるべく努力し、このうち、研究会で2度にわたり議論を行った大阪高裁平成29年3月9日判決については、法学教室誌上に判例評釈を掲載することができた。また、比較法的検討をも踏まえた本共同研究の成果の一端を、法学論叢誌上に公表することができたのも大きな成果である。 こうした本共同研究の成果は、研究協力者の小池信太郎教授・樋口亮介教授にもご参加頂いた、法律時報90巻1号の特集「『責任』の意義の多角的検討」にも結実しているほか、本共同研究の成果を踏まえて、日本刑法学会第96回大会の第1分科会・共同研究「精神の障害と責任能力・量刑の判断」において研究報告が行われることになっている。
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Research Progress Status |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度が最終年度であるため、記入しない。
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