2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03308
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
濱中 新吾 龍谷大学, 法学部, 教授 (40344783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 豊 東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (10638711)
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 世論 / 国際紛争 / 外交政策 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度の世論調査対象地はイスラエルとした。イスラエル調査は平成23年度調査(Hamanaka (2014) “Foreign Affairs, the National Interest, and Secular-Religious Identities in Israel” International Political Science Association, presentation paper)のフォローアップの意味合いを持つ。この調査によってハマースとの第三次ガザ戦争(2014年)を経験したイスラエル人の政府支持態度および戦争に対する評価や外交政策の志向と変化を世論調査で把握し、集結効果および陽動要因に関する仮説を検証する。この研究によって紛争を介した政治態度の変化を観測し、世論と紛争、および外交政策との関連性を明らかにすることができる。 イスラエル調査のカウンターパートはテルアビブ市にあるディアログ社(Dialogue)である。ディアログ社はイスラエルの有力紙ハアレツの世論調査委託先であり、適切な価格で豊富な世論調査実績を持つ機関である。イスラエルによるパレスチナ占領の構図が継続する中で、ユダヤ人社会は「テロ」の脅威にさらされており、人々は緊張を強いられる。占領と紛争の持続状況において各政党やイデオロギーへの共感や支持が大きく変動している可能性があり、学問的調査継続の必要性は高かった。ディアログ社の折衝は浜中が責任を持って行った。今回の調査は平成23年に実施した調査と比較することにより、政治的態度の変容分析を可能にする。 現地研究機関であるヘブライ大学社会科学部、イスラエル民主主義研究所を訪問し、所属研究者にヒアリングを行った。また研究所図書室や大学中央図書館で文献調査も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年11月にエルサレムおよびテルアビブを訪問し、調査票を確定、実査を2016年1月に実施した。当初スケジュールの通り進行したので、おおむね順調に進展しているという判断を行った。 データセットは2月に納入されており、これを分析した研究論文の作成と学会報告は翌年度の予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
国際的な研究協力体制を組むに当たっては、(1)調査実績と(2)調査ニーズに対する柔軟な対応、そして(3)適切なコストの3点が重要である。今回調査を委託したディアローグ社とは初めての取引であったが、幸いなことに(2)調査ニーズに対する柔軟な対応において問題はなかった。また(1)実績と(3)コストの面においても優れており、的確な電話調査が実施された。 研究が計画通り進まない可能性のうち、最も危惧すべきことは政情変化によって実査が遂行できないケースである。これは中東が紛争地帯である以上、やむを得ないリスクである。このため、複数年度に渉って世論調査を実施する本計画においては、実施国の順序を入れ替えるよう計画を工夫している。
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Research Products
(7 results)