2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15H03308
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Research Institution | Ryukoku University |
Principal Investigator |
濱中 新吾 龍谷大学, 法学部, 教授 (40344783)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高岡 豊 東京外国語大学, 外国語学部, 研究員 (10638711)
山尾 大 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (80598706)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イラク / 世論調査 / 政党支持 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は山尾大を中心にイラク南部(中央政府支配地域)の世論調査を行った。バクダード大学に協力を求めて個別訪問による質問紙調査を行い、イラク政府および各政党や主要政治家への支持態度、公共政策の評価、諸外国による政治介入の影響、過激思想を含む政治イデオロギーや思想潮流に対する共感の程度、越境移動の経験や希望などを政治的態度、社会的志向性の情報を聴取した。バクダード大学との折衝は山尾が責任をもって行った。
平成29年度のイラク調査は前回(平成23 年)のフォローアップの意味合いを持つ。前回の調査結果との比較によってイラク国民世論の変化や政権支持および政党支持態度の変容状況を定量的に分析することが可能になった。イラクも2003 年の戦争後、治安が維持できず不安定な民主主義体制の下で統治が行われている。現状の急激な変革を求める過激な組織「イラクとシャームのイスラーム国」が勢力を拡大し、2014年には「イスラーム国」と改名してシリア及びイラク国内に支配領域を確立したが、2017年以降その勢力は衰退した。それゆえイラクもイスラーム主義政治思想の調査対象地として適している。政治思想の拡散状況については髙岡(研究分担者)が中心に研究を実施し、浜中と共同で思想分布・拡散状況の計量分析を行って成果を国内学会や研究会等で報告する。
研究成果については前年度の国際会議報告ペーパー等が国際査読誌にアクセプトされ、出版されている。また邦語による研究書の出版も行われた。年度途中ながら、研究成果の公表は十分行われているものと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
年次計画どおりに世論調査の遂行が行われており、平成28年度に行った国際会議報告や国内学会報告が順調に査読論文として公表されている。それゆえ、「おおむね順調に進展している」と判断した。今年度においてはイラク国内の治安状況が安定したため、現地情勢の急変を受けることなく世論調査を遂行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、これまで実施した世論調査のデータをもとに最終成果報告を活発化する。平成30 年度にはInternational Political Science Association の国際大会ならびに第5 回 World Congress for Middle East Studies が開催される。これらの大会の共同報告および共著論文執筆を通じて研究成果が公開される予定である。
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Research Products
(14 results)