2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳子 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00251314)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民主化 / 新興国 / 租税 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である平成27年度から新興国の租税制度と民主化の関係について、データを集め、数量分析を行うことを計画していた。しかしながら、調査を進めるうちに、アジア・アフリカ・ラテンアメリカ・南ヨーロッパといった世界の地域による租税制度が、近代的課税導入のタイミングや近隣諸国からの影響などで大きく異なることがわかった。具体的には、ラテンアメリカ諸国では早期に付加価値税が導入され地域間の交易にもその影響があること、それに対して天然資源を持つ中東諸国などでは付加価値税の導入が遅れぎみでああることなどである。そうした差異を理解した上で、データを取得しモデルを構築し分析を行った方が良いということがわかったため、海外の研究者から助言を受けた上で分析を行うこととし、ただちに海外の研究協力者と連絡を取った。有益な情報交換を行うためには早期に一堂に会したほうが良いということになり、1月にシンポジウムを企画した。結果として、年度の当初から、それぞれの地域の専門家であるシンポジウム参加者と連絡を取り始めた。彼らの助言に基づいて、数量分析を行うとともに、論文の執筆を行うとともに、彼らの論文を回覧することで、各地域の特徴を理解することができた。さらにシンポジウム前に論文の第1校を完成し、シンポジウムの際に参加者からコメントを得て、それにう基づいて、数量分析を改善し論文の改訂を行った。これにより、地域間の相違や特徴といった定性的分析の強みと定量的分析を組み合わせた研究が本年度から可能となり、研究の進捗に大きく貢献した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シンポジウム開催による海外の研究者との関係の確立により、比較政治経済的なプロジェクトとしての意義が高まり、自身の論文の質が高まるとともに、海外の研究者の関連する研究業績もあがったため、それらをまとめて、英語の専門学術誌の特集を組む展望が開けたため。
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Strategy for Future Research Activity |
「進捗状況」の「理由」に記載したように、今後は、シンポジウムに参加した海外の研究者とともに、シンポジウム発表論文に関わるリサーチをさらに進め、論文を改訂し、専門誌で特集を組むことを目標に研究を進める。
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Research Products
(2 results)