2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03310
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 淳子 東京大学, 大学院法学政治学研究科(法学部), 教授 (00251314)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 民主化 / 租税 / 付加価値税 / 新興国 / 第三の波 / 不平等 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、平成28年度1月に東京大学で行った国際シンポジウムで発表された論文の出版に関わる作業を行った。具体的には、欧米の大学の研究者4名を含む計6名の研究者とともに、ラテンアメリカ、東アジアの国々の事例研究を含む6本の論文を互いに輪読し、コメントをやり取りすることでさらなる推敲を行った。その結果、1)第三の波以降の民主化と租税、2)ラテンアメリカ諸国における租税、再分配と不平等、3)タイにおける租税改革と不平等、4)韓国の福祉国家と租税、5)台湾の福祉国家と租税、6)民主化移行期の人間開発と逆進的課税の各テーマの論文が完成した。その上で、それらを特集論文として、ケンブリッジ大学出版会の政治学学術誌であるJapanese Journal of Political Scienceに投稿したところ、特集として受理され、平成30年度に出版の運びとなった。その一方で、欧州大学院大学(European University Institute)のLaura SeelkopfとPhilipp Genschelが主催する近代化と課税という比較歴史プロジェクトにも誘われ、12月にはフィレンツェで行われた第1回研究集会にも参加し、オックスフォード大学出版会から出版を予定している研究書の1章となる論文の初稿を発表し、欧米各国の専門家から有意義なコメントをもらった。この論文を推敲し、平成30年度10月に再び行われる研究集会で他の論文とあわせて議論し、年度中に、オックスフォード出版会に草稿を送り、次年度以降に研究書として出版する。 これらプロジェクトを進めるにあたって、基礎となる分析に必要なデータの入手及び解析が平成28年度に終了しなかったため、繰越を行った。繰越により、必要な租税及び財政に関わる全てのデータの入手とその統合組織化、及び基本的解析を行うことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
全てのプロジェクトにおいて遅れを取り戻すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、東京大学におけるシンポジウムの成果をJapanese Journal of Political Scienceの特集として発表するとともに、オックスフォード大学出版会 の研究書への寄稿も行う。
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