2015 Fiscal Year Annual Research Report
比較事例分析に基づく多元的な行政主体間の連携・協働に関する実証研究
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15H03313
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
伊藤 正次 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 教授 (40347258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
嶋田 暁文 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (00380650)
荒見 玲子 名古屋大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (20610330)
手塚 洋輔 大阪市立大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (60376671)
松井 望 首都大学東京, 社会(科)学研究科, 准教授 (70404952)
鈴木 潔 (鈴木潔) 専修大学, 法学部, 准教授 (70726009)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 多機関連携 / 行政学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、多元的に分立している国・自治体の行政機関相互の連携・協働の実態を把握し、効果的な連携手法を探究することを目的としている。研究の初年度となる平成27年度においては、研究全体の方向性を確定し、多機関理論に関する行政理論の動向に関する知見を共有するため、まず第1回研究会を平成27年7月31日に開催した。その後、多機関連携の実態に関する専門的な知見を得るため、児童虐待防止行政の専門家である川崎二三彦氏(子どもの虹情報研修センター長)をお招きし、11月6日に第2回研究会を開催した。さらに、2016年2月7日~9日に青少年健全育成行政、児童虐待防止行政、観光・地域振興行政をめぐる多機関連携の実態を明らかにするため、北九州市・福岡市でメンバー全員による現地調査を行い、北九州市少年サポートセンター、福岡市子ども総合相談センター、福岡市経済観光文化局観光コンベンション部都市観光推進課でヒアリングを行った。あわせて、現地で第3回研究会を開催し、平成27年度の研究のまとめを行った。 以上の研究により、多機関連携の実態が明らかになるとともに、課題についての認識が深まった。具体的には、ヒアリングを行った自治体では、児童虐待防止や青少年健全育成の担当行政機関を同一フロアにまとめることによって、職員が日常的に情報共有する場が形成されており、多機関連携のためには、情報共有のための会議体の設置といった公式の制度の整備だけでなく、職場のレイアウトを含むアーキテクチャーという要素が重要であることが明らかになった。また、研究会講師やヒアリング対象となった専門家からは、制度に加えて人材の要素が重要であり、職員間の情報共有から行動連携へのステップアップが重要であることが示唆された。これらの知見を他の行政分野にも適用できるかどうかを検証することが、次年度以降の研究課題として認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね当初の予定通りに研究会を開催し、専門家の知見を得るとともに、現地調査を行い、行政の多機関連携に関する実態に接近することができた。第1回研究会で、研究代表者による多機関連携をめぐる行政理論の動向を報告し、意見交換を行うことにより、研究の大枠に関する情報を共有することができた。また、研究メンバー全員が参加する形でで専門家からの知見の提供を受ける機会を得たこと、さらに現地調査を実施できたことは、調査研究手法や現状認識の共有に役立ったものと考えられる。 ただし、平成27年度は、児童虐待防止行政、青少年健全育成行政、地域振興行政以外の分野の研究には着手することができなかったため、研究の全体像を描き出すという課題が残されている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度以降は、平成27年度に着手できなかった事例、具体的には、就労支援、生活保護・自立支援、地域包括ケア、消費者保護の各分野について、文献調査や現地調査、ヒアリング調査等を通じて研究を進めていくことが課題である。メンバー全員参加による現地調査は、メンバーの研究に対する認識を共有する上で非常に有益であることが明らかになったため、平成28年度は、消費者保護行政を対象として、現地調査を行うことを予定している。また、各分野の専門家を招聘し、専門的知見の深化に努めることとする。 他方、研究分担者のうち1名が平成28年度よりアメリカで在外研究を行っている。当該分担者には、アメリカでの研究成果も踏まえて分担分野(地域包括ケア)の国際比較研究を推進し、その進捗状況をメール等で定期的に報告してもらうことで、研究の推進に支障が出ないようにしてもらうことを予定している。
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Research Products
(26 results)
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[Presentation] 介護認定のガバナンス2016
Author(s)
荒見玲子
Organizer
香川大学地域科学セミナー
Place of Presentation
香川大学地域マネジメント研究科
Year and Date
2016-01-29 – 2016-01-29
Invited
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