2016 Fiscal Year Annual Research Report
世界戦争としての日中戦争-マルチ・アーカイブによる多角的アプローチ
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15H03322
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Research Institution | Keiai University |
Principal Investigator |
家近 亮子 敬愛大学, 国際学部, 教授 (10306392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河原地 英武 京都産業大学, 外国語学部, 教授 (60224870)
川島 真 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (90301861)
岩谷 將 北海道大学, 法学研究科, 教授 (80779562)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 日中戦争 / 世界戦争 / マルチ・アーカイブ / 国際世論 / 戦時外交 / 蒋介石・スターリン / ビラ・ポスター / 各国外交文書 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.全体の研究実績としては、旧ソ連の外交文書の1937年分の翻訳と、解題・解説を執筆する作業を進めた。本実績は平成29年中に東大出版会から河原地英武・平野達志訳著―家近亮子・川島真・岩谷將監修『日中戦争と中ソ関係―1937年ソ連外交文書邦訳・解題・解説』として出版される予定である。 2.分担者である川島真は、平成28年8月サンクト・ペテルブルグで開催された国際会議で“Images of World Order in Modern China: From the Late Empire to the Nanjing Government”、岩谷將は10月「盧溝橋事件再論」を現代中国学会で、家近亮子は平成29年2月「蒋介石と日中戦争―蒋介石は抗日戦争によって、何を得、何を失ったか?」を偕行社主催シンポジウムでその成果を発表した。 3.分担者である河原地英武は、ロシア連邦ハバロフスク市地方軍事資料館及びハバロフスク市国立図書館で、岩谷はフランス外交史料館とイギリス国立公文書館で、家近は主に日本国内の日中戦争関連史料を収集した。 4.研究会:第1回(5月15日ー国際文化会館)、第2回(6月29日ー平和祈念展示資料館、名誉館長・増田弘の講演)、第3回(7月18日ー北海道大学、岩谷將「オランダ国防部の日中戦争に関する史料」・家近亮子「平和祈念展示資料館・滋賀県平和祈念館・たかす開拓記念館所蔵のアーカイブ」の発表)、第4回(11月12日ー国際文化会館)、第5回(平成29年3月6日ー東京大学駒場キャンパスー田島奈都子(青梅市立美術館)「『プロパガンダ・ポスターにみる日本の戦争』について」公開研究会)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.当初予定した日中戦争関連のマルチ・アーカイブを諸外国や日本の公文書館、国立図書館、戦争・開拓関連記念館、軍事記念館などで収集する作業が進んでおり、それを使った論文の執筆も進んでいる。
2.平成27年度はアメリカ・スタンフォード大学フーヴァー研究所、オーストラリアの国立公文書館、タイの国立図書館で、平成28年度はフランス外交史料館、イギリス公文書館、ロシア連邦ハバロフスク市地方軍事資料館、ハバロフスク市国立図書館、東京大学東洋文化研究所、京都大学人文科学研究所、愛知大学豊橋図書館、平和祈念展示資料館、舞鶴引揚げ記念館、滋賀県平和記念館、たかす開拓記念館、姫路平和資料館、満州開拓平和記念館で関連史料をメンバーが共同で、または個別に収集した。また、平成29年度はオランダとドイツの軍事資料館、ジュネーブの国際連盟、タイとミャンマーの国立図書館、台湾の国史館・党史館などで関連史料を収集する予定であるが、それらの目録をホームページを立ち上げ、公開する作業がすすめられている。
3.ソ連の外交文書を翻訳して出版する作業が順調に進んでおり、平成29年12月に東大出版会から出版される予定となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の予定: 1.メンバー全員で携わった翻訳本(河原地英武・平野達志訳著―家近亮子・川島真・岩谷將監修『日中戦争と中ソ関係―1937年ソ連外交文書邦訳・解題・解説』、東京大学出版会、2017年)の出版、2.イタリアのヴェネチア大学を海外研究拠点とするため、同大学教授アンドレア・レベラント(Andrea Revelant)氏の研究会への参加と打ち合せ、3.ホームページの作成、これまで収集した史料のリストの公開、4.私立成城学校(現成城中学・高校)が所蔵する戦前の留日学生関連史料を整理し、平成30年2月に公開シンポジウム(戦前の留日学生と日中戦争)」を科研「留日学生、それぞれの日中戦争(基盤研究C・代表ー拓殖大学・浜口裕子、分担者ー家近亮子)」と共催で開催、5.『軍事史学』などへの個別論文の発表
今年度の研究会:第1回(5月20日ー国際文化会館、ロシア語翻訳本の編集確認)、第2回(6月16日ー京都産業大学、アンドレア・レベラント氏の講演と打ち合せ)、第3回(10月ーロシア研究者を招いての研究討論会)、第4回(平成30年2月18日ー私立成城高校での公開シンポジウム開催)、第5回(3月、科研の総括と今後の方針)
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Research Products
(14 results)
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[Book] 世界史B2017
Author(s)
福井憲彦・太田信宏・加藤玄・川島真・高野太輔他
Total Pages
448
Publisher
東京書籍
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