2019 Fiscal Year Annual Research Report
気候変動政策統合評価の分析枠組みとモデリング技法に関する研究
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15H03338
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 章 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (30317309)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 技術進歩 / 技術革新 / 投資コスト / ESG |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度は前年度の中心的課題(経済主体同士の投資時期決定ゲームの定式化,スピルオーバー効果の影響の分析)について,詳細を詰めるとともに,より根本的な疑問点に取り組んだ.それは,なぜ社会にとって良い(と思われる)技術の導入がなかなか進まない(という事例がしばしば見られる)のか,というものである.上記スピルオーバー効果はその要因の一つであることは間違いないが,これはプラスにもマイナスにも働き得る.そこでこの効果を取り去って,より単純に考えた場合,良い技術(生産性の向上に資する技術,省エネルギーに資する技術等)はコストだけが阻害要因であり,コストダウンさえ進めば自然的に導入が進むものと想像される.ところが現実はそのような例ばかりではない. 2019年度は,上記の問題意識のもとで,投資論でもなく,内生的技術変化の議論でもなく,参入障壁等市場の不完全性の議論でもなく,極めてシンプルに,技術進歩の阻害要因を説明するモデルを考察した.具体的には,モデルとして,シンプルな需給の部分均衡を考えた.供給曲線が右側に倒れていくことによって技術進歩を表現した.消費者余剰,供給者余剰,社会厚生といった基本的なツールを使って,比較静学分析により技術進歩のもたらす帰結を考察した.このモデルは,投資論でもなく,内生的技術変化の議論でもなく,参入障壁等市場の不完全性の議論でもなく,極めてシンプルに,技術進歩の阻害要因を説明するものである.モデル分析に加え,モデルの拡張性,特に通常の投資論では考慮されない環境・社会・ガバナンス(ESG)要因についても検討した.
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Research Progress Status |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和元年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(3 results)