2016 Fiscal Year Annual Research Report
ユーザーイノベーションとメイカーズ革命の類似性と相違性に関する理論的・実証的研究
Project/Area Number |
15H03393
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小川 進 神戸大学, 経営学研究科, 教授 (80214021)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 英彦 法政大学, 経営学部, 教授 (10411208)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 商業 / マーケティング / ユーザーイノベーション / メイカームーブメント / メイカーズ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、ユーザーによる創造活動といえる2つの現象である、自らの利用に必要なために創造を行う「ユーザーイノベーション」と、3Dプリンタなどのデジタル生産の技術進化により生まれた、創造自体を楽しむために製作する「メイカーズ革命」を取り上げ、両概念についての類似性と相違性を理論的・実証的に考察を行うことである。 2年目である本年度は、当初の計画どおり定性調査の整理および考察と、次年度の定量調査への準備を行なった。前年度の研究成果を活かし、(1)メイカーズ革命の事例の定性調査、(2)大規模定量調査の準備という2つを実施した。 (1)メイカーズ革命の事例の定性調査では、事例の定性調査を実施し、メイカーズ革命の実態や影響について考察を行う。メイカーズ革命を実践するユーザーである「メイカーズ」の集まるイベントである「メイカーズフェア」への参加をはじめ、メイカーズを支援する複数の企業、そして複数のメイカーズをインタビューした。こうした定性調査の分析結果をもとに、研究会での考察・報告を実施してきた。研究会は、関連学会Open and User Innovation Workshop 2016(ハーバード大学開催)と合わせ、最新の研究内容の情報収集を行いつつ、学会報告することで研究者との幅広い議論を通して、整理に役立てた。 (2)大規模定量調査の準備では、大規模定量調査の方法検討を行ってきた。基盤研究(B)(平成22-25 年度)における大規模定量調査の経験を活かし、調査対象や方法などのリサーチデザインを設計した。デジタル生産の環境やツールと、製品分野や創造活動への関係が測定できるような質問票の検討を行ってきた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画どおり定性調査の整理および考察と、次年度の定量調査への準備を実施できたからである。具体的には、前年度の研究成果を活かし、(1)メイカーズ革命の事例の定性調査、(2)大規模定量調査の準備という2つを実施した。 さらに、研究発表にあるように、本研究を通して、国内外において多くの研究成果が生まれ、当初の計画以上に進展しているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
次年度は、国内の定量調査と、その事前準備および実施、考察を中心に行うことになる。具体的には、(1)海外での事前研究打ち合わせ、(2)国内大規模定量調査と、(3)海外での事後研究打ち合わせという3つを実施する。 (1)定量調査に向けての海外での事前研究打ち合わせについては、海外研究協力者のMITのvon Hippel教授などの研究者と共に、MITにて開催する。2年目までの研究成果や、研究協力者の知見をもとに議論し、ユーザーイノベーション研究とメイカーズ革命の類似性と相違性を明らかにするだけでなく、デジタル生産の環境やツールと、製品分野の関係、創造活動の成果との関係を分析できるよう、定量調査の質問票を設計する。 (2)国内大規模定量調査については、(1)での打ち合わせの成果を踏まえつつ、同時に過去の基盤(B)(平成22-25年度)での追試となるよう質問票を設計し、調査対象や方法論を設定し、国内大規模定量調査の実施を行う。 (3)定量調査に向けての海外での事後研究会打ち合わせについては、再度、海外研究協力者のMITのvon Hippel教授などの研究者と共に、MITにて開催する。国内大規模定量調査の分析結果をもとに、考察していく。同時に、本研究成果の論文作成に向けて、最新の研究内容の情報収集や、報告することで研究者との幅広い議論を通して、整理に役立てる。
|
Research Products
(9 results)