2015 Fiscal Year Annual Research Report
南海トラフの巨大想定と地域破壊―生存と生活のジレンマを克服する事前復興の調査
Project/Area Number |
15H03421
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
山 泰幸 関西学院大学, 人間福祉学部, 教授 (30388722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 憲夫 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00026296)
舩戸 修一 静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (00466814)
石田 和之 徳島大学, 大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部 (総科), 准教授 (30318844)
松田 曜子 関西学院大学, 災害復興制度研究所, 准教授 (90632711)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 南海トラフ / 事前復興 / 四面会議 |
Outline of Annual Research Achievements |
南海トラフの巨大想定の結果、津波被害が想定される沿岸部の自治体では、より内陸の自治体へと住民の流出が始まっている。また、南海トラフ法の成立による高台移転の対策は、住民の地域生活の場を引き裂いている。つまり、巨大想定に対する〈生存〉を優先する対応が、皮肉にも住民の〈生活〉の場である地域コミュニティの破壊を招いているのである。南海トラフの巨大想定がもたらす、このような〈生存〉と〈生活〉のジレンマを克服するために、本研究では、地域再生の主体形成・行動計画策定ツール「四面会議システム」を活用し、事前復興のアクションリサーチを試みる。 本年度は、フィールドである徳島県、静岡県、高知県での現地調査、研究手法である「四面会議システム」を導入した地域復興の取り組みの先進地である鳥取県智頭町での調査、当該テーマの専門家を招いて、研究会を複数回開催した。さらに日中韓三ヶ国の研究者による国際フォーラムを開催し、またイギリス、インド、韓国で開催された学術会議で報告するなど、国際的にも活動を積極的に行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当該研究テーマの専門家とのネットワークが広がり、充実した研究会、シンポジウムが複数回開催されたことや、特に海外での報告や海外の研究者を招いての研究交流が進んだことがあげられる。
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Strategy for Future Research Activity |
おおむね研究計画どおりに進んでおり、この調子で、研究計画に従って、粛々と研究を推進していく予定である。具体的には、静岡、徳島、高知の各県下の沿岸部を中心としたフィールドでの実践的調査を進めていく予定である。
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Research Products
(9 results)