2018 Fiscal Year Annual Research Report
非営利-営利法人格の戦略的選択:民営化政策の再帰的課題
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15H03433
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Research Institution | Toyo University |
Principal Investigator |
須田 木綿子 東洋大学, 社会学部, 教授 (60339207)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平岡 公一 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10181140)
森川 美絵 津田塾大学, 総合政策学部, 教授 (40325999)
今村 肇 東洋大学, 国際学部, 教授 (70176501)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 民営化 / 対人サービス / サービス供給組織 / 非営利 / 介護保険 / 営利 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究目的は、以下の2点であった。ひとつは、介護保険指定事業者を対象とする調査を通じて2005年以来蓄積してきたデータの再分析を行い、非営利―営利の法人格の戦略的選択の現状を検討することである。そしてもうひとつは、非営利と営利の事業者が類似性を高めているとはいえ、異なるミッションに基づいて設立されている以上、規制の解釈や実際のケアを組み立てる過程には差異があるとの前提にたち、サービス提供活動の過程を非営利―営利の事業者間で比較することであった。 その結果、前者については、営利の事業者が非営利組織的行動特性を強めつつも、営利の法人格を戦略的に選択・維持していることがわかった。そしてその背景には、日本固有の非営利制度や公益法人制度に関わる事情が存在していることが指摘できた。すなわち、「公」的サービス供給組織としてのlegitimacy(正当性、お墨付き)は、欧米先進諸国では非営利の法人格に由来するのに対して、日本では行政に連なることによって獲得されるため、介護保険指定事業者というタイトルがある限り、営利の法人格は必ずしも不利には作用せず、かつ、非営利の法人格に比べて規制が少ないという有利性もあるという事情である。後者については、非営利=営利の介護保険指定事業者の職員を対象とする観察調査を行った。その結果、①非営利の事業者では個々の職員の専門性に依拠した、職人的な働き方がなされていたのに対して、②営利の事業者では職員がチームとして業務を遂行しており、職員が個別に判断を行うケースも観察されなかた。提供するサービスも、③非営利では、サービス利用者の心身機能の維持が強調されているのに対して、④営利の事業者では快適性やサービス利用者の嗜好性の尊重が重視されていることがわかった。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(8 results)