2016 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03491
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
原 清治 佛教大学, 教育学部, 教授 (20278469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松浦 善満 龍谷大学, 文学部, 教授 (40243365)
山内 乾史 神戸大学, 大学教育推進機構, 教授 (20240070)
大多和 直樹 帝京大学, 文学部, 准教授 (60302600)
小針 誠 同志社女子大学, 現代社会学部, 准教授 (90388067)
小林 至道 関西大学, 教育推進部, 研究員 (60784692)
浅田 瞳 華頂短期大学, 幼児教育学科, 講師 (80454859)
堀出 雅人 華頂短期大学, 幼児教育学科, 講師 (50710638)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ネットいじめ / 青少年問題 / 学校病理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は大規模調査の範囲を広げながら継続的に調査を行いつつ、大規模データの分析を中心に行った。明らかになった知見は以下の通りである。 1.小・中・高を通じてネットいじめの被害にあったことのある生徒は8.7%であり、同様に高校でのネットいじめの被害に限定してみると5.2%となり、先行研究の結果と比較しても発生率は低くなっている。ネットいじめの内容を見ると、twitterでの中傷がもっとも多く(51.8%)、LINEでの中傷(39.7%)と合わせて、高校生のネットいじめの大部分を占めている。 2.高校階層別にネットいじめの発生率をみてみると、偏差値40以下の学力下位(8.1%)にもっとも高くなる。しかし、51-55の学力中位(5.1%)、66以上の学力上位(3.1%)においても発生率が他より高くなる。 3.学力移動(中学から高校にかけて本人の学力がどのように移動したのか)の観点からネットいじめをとらえた場合、 LINE中傷において学力が「上昇」もしくは「下降」した生徒に多く見られる。一方で、twitter中傷については、学力が「下降」した生徒に多く見られる。さらに、偏差値40以下の学力最下位階層に着目した場合、学力の移動が下降した生徒にネットいじめ発生率が高い。また、偏差値66以上の学力最上位層においては、下から上に移動した生徒(14.3%)のネットいじめ発生率が高い。 4.在籍生徒の学力分散が大きい高等学校(偏差値51-55)や学力最上位層や最下位層の高校においては、学力移動をした生徒にネットいじめ発生率が高くなるといった特徴を指摘することができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
調査対象校については、いくつかの学校に継続調査をお願いしているため、大規模データのパネル化を進めている。また、地域、校種の異なる近畿地区および中学校における中等教育段階のネットいじめの状況を明らかにできる調査となりつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も調査対象校を増やしつつ、高等学校を中心に継続的なアンケート調査を実施する予定である。また、啓発活動についても積極的に行い、それらがどのような効果をもたらしているのかついての検証をすすめる予定である。
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Research Products
(4 results)