2016 Fiscal Year Annual Research Report
盲ろう学生のためのE-learningシステムの開発
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15H03510
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Research Institution | Tsukuba University of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 正幸 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 教授 (50222021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 正幸 筑波技術大学, その他部局等, 名誉教授 (50215365)
宮城 愛美 筑波技術大学, 障害者高等教育研究支援センター, 講師 (60447258)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 盲ろう学生 / 高等教育支援 / 触手話 / 点字変換 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度は、フランスの盲ろう教育の専門家を招聘し、盲ろう学生の高等教育支援に関する研究協議を行い、盲ろう学生の理解、高等教育支援に関わる学修環境の整備、学修環境の整備に関わるE-learningシステムの構築について議論、検討を行った。併せて盲ろう学生のためのE-learning教材の作成を行った。 そこで、以下の成果を挙げることができた。盲ろう学生の理解については全盲ろうの学生を想定し、全て触手話で視覚情報、聴覚情報を伝えることが必須であるとされた。そのため、触手話による通訳介助、授業時の文字情報についてはブレイルセンス機器にて点字変換すること、必要に応じて触手話による補助説明は必要不可欠なものとされることが確認された。学修環境の整備に関わるE-learningシステムの構築については、授業の際に聴覚障害学生のために文字情報を呈示するパソコンと点字に変換するブレイルセンス機器との整合性を調べ、併せて盲ろう学生の点字読みの特性に合わせた呈示方法の調整をブレイルセンス機器の設定で行った。その結果、盲ろう学生が点字を読みやすいブレイルセンス機器は1行の文字数が32~40マス前後であること、また、読む速度に併せて点字表示の改行が可能なシステムにする必要があることが明らかとなった。また、その改行については片手を触手話、もう一方の手で点字を読むことから足で操作できるフットキーを用いた。 さらに、盲ろう学生のためのE-learning教材の開発については、昨年に引き続き「情報アクセシビリティ研究特論」に関する教材を字幕、スライドを呈示した映像を作成した。文字情報の内容として盲ろう学生のためにできるだけ指示語を使用しないこと、図については補足説明を加えるなどの配慮を行いながら、作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度は、海外招聘の研究者の都合で中止になったが、2016年度はフランスの盲ろう教育の専門家を招聘しての研究協議を行うことができた。またE-learingシステムの構築もほぼ終了し、最終年度のシステムの検証に進むことが可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで構築を開発してきた文字情報を呈示するパソコン及び点字変換を行うブレイルセンス機器(E-learningシステム)の整合性と検証を行い、さらにはE-learning教材を用いたE-learningシステムの利用効果の検証を行う。
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Research Products
(1 results)