2015 Fiscal Year Annual Research Report
Theory of spin and heat transport in topological insulator/superconductor junctions
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15H03525
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
川畑 史郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, ナノエレクトロニクス研究部門, 主任研究員 (30356852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅野 泰寛 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (20271637)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / 超伝導接合 / 熱輸送 / トポロジカル超伝導体 / ワイル半金属 / スピントロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカル物質と超伝導体が接合した系における量子及び熱輸送理論の構築を行った。具体的には、トポロジカル絶縁体/超伝導体接合やワイル半金属/超伝導体接合のモデリングを行い、それら接合系についてのBogoliubov-de Gennes方程式を数値的に解くことによって熱流を計算した。3 次元トポロジカル絶縁体/超伝導体接合についての熱流の計算結果より、冷却効果が発生することが明らかになった。また、近接効果によって誘起されるワイル半金属/超伝導接合モデルについても冷却効果が現れ、2つのワイル点の波数空間での相対位置によって熱流の振る舞いが異なることが明らかになった。その結果Andreev反射が抑えられるような相対位置にワイル点があるときに熱流は最大となり、ワイル点の相対位置によっては効率的な冷却が可能となることも明らかになった。また、ワイル半金属/絶縁体/超伝導体からなる接合において、輸送方向が2 つのワイル点を結ぶ線分と平行方向である場合についても調べた。その結果熱流の透過率依存性は従来のNIS 接合のものと定性的に同じになることが明らかになった。また、スピン軌道相互作用の強さによっても熱流が変化することが明らかになった。ワイル半金属中のスピン軌道相互作用が大きくなるとAndreev 反射が抑えられていることが既に示されているが、熱流に関してはスピン軌道相互作用が小さいときに熱流の値が大きくなることが明らかになった。以上に加えて、トポロジカル超伝導体のジョセフソン効果、微小な異方的超伝導体の磁気的性質、奇周波数超伝導体におけるマイスナー効果についても理論的な研究を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、トポロジカル絶縁体/超伝導体接合系及びワイル半金属/超伝導体接合系のモデリング及び熱輸送理論の構築を行うことが出来た。また、期待通りワイル半金属のトポロジカル性を利用することで、効率的な電子冷却か可能となることが明らかとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
これまで、熱及び量子輸送について非常に興味深い結果が得られたので、今後、熱及び量子輸送のみならず、電磁応答や非平衡キャリアダイナミクスについても検討を開始する。そして、トポロジカル物質系や原子層材料接合系における熱・電子・光の融合についても新たに検討を開始する。
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Research Products
(20 results)