2015 Fiscal Year Annual Research Report
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15H03543
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
筒井 真楠 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50546596)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ナノマイクロセンサー |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度では、1分子熱電計測用ナノセンサデバイスとして、熱電対組込み型MCBJ(Mechanically-Controllable Break Junction)素子を創製した。作製プロセスでは、まずバフ研磨により鏡面磨きを施したりん青銅基板表面上にポリイミド薄膜をコートし、その上にフォトリソグラフィー及びマグネトロンスパッタ法を用いて引き出し電極を作製した。続いて当該電極パターンの一部を外部マーカーとして用い、電子線リソグラフィー等プロセスによりアルミナ薄膜を形成させた。そして同様のプロセスにより今度はアルミナ表面上に電熱ヒータとして機能する白金細線コイル、白金/金熱電対および金ナノ接合を段階的に作製した。そして最後に反応性エッチングによるポリイミドの等方性エッチングによりフリースタンディングな金ナノ接合を得た。 この新規ナノ構造を用いて室温下における金単原子接点のジュール熱評価を実施した。実験では、デバイス基板を三点曲げの要領で湾曲させることで金ナノ接合を機械的に引っ張り変形させながら、接合のコンダクタンスと熱電対における熱起電力の同時計測を室温・真空下で実施した。金ナノ接合にバイアス電圧を印加すると、当該接合に生じるジュール加熱の影響により熱電対の熱起電力が変化した。接合を徐々に狭窄させていきながら熱電対における熱起電力計測を実施した結果、ナノ接合に生じるジュール熱は接合のサイズによらず概ね電力に正比例することを明らかにすることができた。さらにヒータを通電加熱させることで、金ナノ接合を介した熱流量を熱電対で検出することに成功した。現在、金ナノ接合の熱伝導度の導出を実施している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、熱電対組込み型MCBJ素子の創製に成功した。また、当該デバイスを用いてナノ接合における熱輸送を観測することができた。さらに、同デバイスを応用して、金ナノ接合におけるジュール加熱現象の観測にも成功した。これは想定以上の成果である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は熱電対組込み型MCBJを用いて種々の有機分子の1分子熱電特性測定を実施し、高性能熱電デバイスに資する分子接合の設計指針を確立する。
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Research Products
(3 results)