2015 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体におけるプラズモン誘導光透過現象と紫外発光デバイス光制御への応用
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15H03556
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
平松 和政 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50165205)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 秀人 三重大学, 地域イノベーション学研究科, 教授 (70209881)
元垣内 敦司 三重大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00303751)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 窒化物半導体 / 紫外線発光素子 / 窒化アルミニウム / 表面プラズモン / プラズモン誘導光透過 |
Outline of Annual Research Achievements |
短波長紫外域(300nm以下)の半導体固体光源は、殺菌、光触媒、バイオ、計測など医療・環境分野に不可欠であるが、発光効率、発光出力、信頼性が低いことが普及化への障害となっている。この主原因は、発光層のAlGaNの①低抵抗p形、②光取出し効率向上、③偏光特性制御の課題が未解決であることにある。一方、申請者は2層形金属ワイヤグリッド偏光子(2WGP)を用いた表面プラズモンによる異常光透過(ここではプラズモン誘導光透過と呼ぶ)を実証した。この成果を紫外光源の課題解決に適用する。研究目的は、① 原子レベル平坦性を有する極性・非極性AlGaN高品質結晶作製、② AlGaN結晶上の2WGPによるプラズモン誘導光透過の実現、③偏光制御、高効率を有する高性能紫外域光デバイスの実現を目指す。 今年度は、高品質AlNの結晶成長とガラス基板上への金属周期構造による表面プラズモン共鳴に関する実験を行い、プラズモン誘導光透過を用いた高性能紫外発光デバイスを実現するための指針を得ることを目的に実験を行った。 サファイア上AlN成長では、サファイアの表面ステップ構造に起因して高密度な刀状転位が発生する問題があるため、サファイア基板の微傾斜角度やサーマルクリーニング条件を変化させて、サファイア上に形成されるAlNの結晶性やドメイン構造を制御し、AlNの高品質化を目指した。サファイア基板の微傾斜角度の増加につれて,AlNの(0002)面のXRC半値幅は悪化する傾向であったが,(10-12)面のXRC半値幅は改善するという結果となった。これらのXRC半値幅の変化は,サファイア基板の表面ステップ構造に起因することが確認された。 一方、表面プラズモンに関する研究では、ガラス基板上への1次元金属回折格子構造を有する偏光子の作製を行い、周期構造の制御により、透過特性が制御できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
高品質AlGaNを得るためのAlN基板の作製やガラス基板上金属1次元回折格子によるプラズモン誘導光透過の実証ができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
紫外線発光素子に使う高品質AlGaNの結晶成長や窒化物半導体基板を用いたプラズモン誘導光透過の実験を行う予定である。
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Research Products
(26 results)